Shopify Plusとは?
Shopifyは一般的なカートシステムと比べて、簡単にできることの幅が広く、一方でやろうとすればできることの深さも他のカートシステムよりも勝っています。それでも通常プランではできないことは存在します。そんな要望に応えるためのプランがShopify Plusです。
Shopifyには固定の月額料金で提供されている3つの通常プランの他に、「取引量の多いストアや大企業向け」のプランが存在します。それがShopify Plusです。通常の最上位プランが月額$299に対して、Shopify Plusはグッと上がって$2,000〜となります。通常プランとの違いや、Shopify Plusでできることを解説します。
Shopify Plusでしかできない5つのこと
通常プランと比較して、Shopify Plusでしかできないことは5つだけでなくもっとたくさんありますが、通常プランでは実現できないことで、当社にご相談やお問い合わせが多く来るものをピックアップしました。
- チェックアウト画面・機能のカスタマイズ
- サイトの時限設定(予約反映)
- ワークフローの自動化
- パーソナライズされたプロモーションの自動表示
- 1契約で10サイトまで開設可能
ひとつずつどんな機能なのか、何ができるのかを具体例を出して説明していきます。
チェックアウトページのカスタマイズ
Shopify Plusを契約すると、checkout.liquid のリキッドファイルが編集できるようになります。つまり、チェックアウトページ(決済画面)の機能追加や表示内容の変更などのカスタマイズが可能になります。
例えば、以下のようなことができるようになります。
- 独自のレイアウトや表記、画像を追加
- 住所入力フォームに独自のバリデーションなどを追加
- 配送情報入力画面に配送日時指定や定期購入オプションの追加
- 配送先の国や地域によって表示内容を変更、処理を追加
サイトの時限設定:Launchpad
商品やブログ記事は通常プランでも未来の日時を指定する予約公開ができます。ですが、それと連動して行うことも多いバナーの差替や商品価格の変更などは時限設定ができません。
Shopify Plusには専用のアプリが用意されており、そのうちのひとつ「Launchpad(ローンチパッド)」を使うことで、通常プランではできなかった前述の内容などが実現可能になります。Launchpadの使用シーンとしては、以下のようなケースが想定できます。
- セールなどのイベント開始時と終了時に商品の価格を変更する
- イベント開始時に在庫を変更する
- イベント開始・終了時にテーマ(サイトデザイン)を変更する
- イベント開始前に、設定した期間オンラインストアをロックする(宣伝と期待を演出する)
Launchpad設定画面
業務の自動化:Shopify Flow
これまで手動で行っていた業務、例えば、特定の顧客からの注文情報にタグを追加する、特定の商品が売れた場合にメールで通知する、などの処理をShopify Plus専用アプリ「Shopify Flow」によって自動化することができます。自動化を作成するには「トリガー」「条件」「アクション」を選択するだけで、複雑な設定やコードの記述は不要です。自動化する処理としては下記のようなパターンが考えられます。
- ロイヤルカスタマーにタグ付けする
- リスクの高い注文にフラグを付ける or キャンセルする
- 特定の注文が入った場合にメールを送信する or Slack等に通知する
- 在庫が少なくなったときに通知を送信する
Shopify Flow設定画面
プロモーションの自動パーソナライズ:Shopify Scripts
Shopify Scriptsは、通常プランで使えるディスカウント機能では対応できない、複雑な複合条件でのディスカウント設定やプロモーションを実装できる拡張機能です。但し、Shopify ScriptsはLaunchpadやFlowのようなアプリではないので、スクリプトを記述する必要があります。以下に具体的な使用例を挙げます。
- 1個買ったら1個無料(BOGO : Buy 1 Get 1 Free)
- ○個購入すると○○円/○○%オフ
- 注文金額に応じたディスカウント設定(例:5,000円以上で5%OFF、10,000円以上で10%OFFなど)
- 初回購入時のみ○○円/○○%オフ
- 注文回数が○回以上の場合○○円/○○%オフ
1契約につき追加で9サイト、合計10サイトが運営できる
Shopify Plusの契約ひとつで、同ブランドのサイトを追加で9個まで開設、運営が可能です。追加料金はかかりません。但し、追加できるサイトは「同ブランド」に限ります。例えば、最初のサイトが国内向けのストアだった場合、次は国内向けB2B卸ストア、3つめはアジア向けストア、4つめは北米向けストアといった利用方法となります。新商品や注力商品だけのポップアップサイトとしても活用ができそうです。
その他のShopify Plusならではの機能
Shopify Plusのみで利用できる機能やサービスは、上記の5つ以外にもまだまだあります。
- パスワード保護の卸売ストアの開設
- 通常プランの既存ストアのデータ移行
- 専用アプリ、追加APIリソースの提供
- シングルサインオン連携(Multipass APIを利用し自社システムと連携)
- 100種類のテーマが使用可能
- 別システムの会員IDとの連携
- 別システムの会員データ移行・一括招待機能
- 別システムのポイント残高をギフトカードに変換
- スタッフアカウント無制限
- 専任の担当者
- 24時間サポート
これらの機能やサービスについて本稿では掘り下げませんが、主に現在使用している他のシステムからの移行を検討している場合はぜひ参考にしてみてください。