
ついに今年2回目のEditionsが公開されました。
今回のShopify Editions Winter ’26 | The Renaissance Editionでも毎度お馴染みのアニメーションに凝ったページが公開されています。
今回のEditionsのテーマRenaissance(復興)では、サイトでも「ai」の文字が強調されている通り、AI(Sidekick)による自動化・生成機能の強化を初め、POSやチェックアウトの顧客体験向上、財務機能の充実など、全体で150以上のアップデートが発表されました。
その中から注目の新機能にフォーカスしてまとめます。
現時点では未公開や一部地域のみ対応の機能もありますが、日本で対応された場合にはぜひ試していただきたい機能をピックアップしていきます。
目次
1. AIアシスタント「Sidekick」の大幅進化
主な新機能
マルチステップタスクの実行
単発の指示だけでなく、複雑なタスクの計画から実行までをSidekickが処理できるようになりました。
例えば、アプリを検索できるようになっており「こういうアプリない?」って入力すると、いくつか提案してくれて、その場でインストールも可能になっています。
スタジオ品質の画像生成・編集
背景の変更、要素の追加・削除、キャンバスの拡大など、高度な画像編集がAIへの指示だけで完結します。
1枚目の背景が夕焼けの画像で、「背景の晴天の昼間に」と指示を出してみたところいい具合に変えてくれました。
インサイトと提案(未公開)
Sidekick Pulseが市場トレンドとストアデータを解析し、パーソナライズされた改善アクションや推奨タスクを提示します。
こちらの機能は12月12日時点では検証ができなかったため未公開と思われます。
カスタムアプリの生成(glowプラン以上)
「再注文を促すアプリを作って」のような自然言語入力で管理画面のみ動作するカスタムアプリを生成できるようになりました。
※ こちらの機能はglow以上のプランでのみ仕様可能です。
SIdekickのチャット下部にある+ボタンからアプリを生成ボタンを押し


ワークフロー自動生成
説明を入れるだけでShopify Flowのワークフローを自動作成してくれます。
こちらの機能は12月12日時点では検証ができなかったため未公開と思われます。
※2025年12月17日更新
アプリの生成と同様に、sidekickに指示を出すとワークフローを作ってもらうことができ、作成後にフローをチェックし問題なければそのままストアに追加することができます。
自動レポート生成
ShopifyQLを使ってカスタム分析レポートを自動作成し、データを可視化してくれます。
テーマ更新の自動生成
プロンプトに基づいてテーマやコンテンツを自動的に調整してくれます。
こちらの機能も試してみたところ、しっかりとストアのカラー設定やフォント設定を変更してくれました。
ただし、設定変更後のテーマの保存は必ず自分で行わなければならないことと、画像のように「黒背景にしたのに文字が黒のまま」、といった結果視認性が下がる結果になる場合もありますので注意が必要です。
2. Shopify Agentic Storefrontsで主要AIチャットからの商品購入が可能に
近日公開予定のShopify Agentic Storefrontsは、ChatGPT、Copilot、Perplexityなどの主要AIチャットに対応し、あなたのストアの商品がユーザーの要望とマッチした場合にチャット上に表示されるようになります。 また、そのチャット内から直接購入が可能になります。
ChatgGPTで購入した場合はChatGPTからの注文として注文が作成されます。
商品情報や仕様を充実させることの重要性がさらに高まることでしょう。

3. オンラインストア構築と管理機能の刷新
構築・運用の効率化
- Shopify SimGym(近日公開):AIエージェントが買い物客の行動をシミュレーションし、ストアの課題を発見してくれます。
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Rollouts(近日公開):テーマ変更のスケジュール管理に加え、A/Bテスト機能が統合され、効果的なリリースが可能になります。
こちらは管理画面上の機能として実装されるのか、アプリとして公開されるのかは不明ですが、これまでキャンペーンの公開日時に合わせて手動でテーマ切り替えを行なっていたマーチャント様は、公開されたらぜひ試していただきたい機能です。 -
テーマエディタでの詳細管理(近日公開):商品、コレクション、マーケットの設定を管理画面に戻らずテーマエディタから直接編集可能になります。
これまではカスタマイズエディタと商品管理といった具合で複数タブを開いて作業していたマーチャント様も多いのではないでしょうか?
こちらの機能が公開されれば大量のタブから解放されることになるでしょう。 -
WordPressサイトのShopify化:WordPressサイトのShopify化は専用のプラグインをwordpressにインストールすることで、すでにお使いのWordpressサイトを簡単にshopify化することが可能になります。
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「Lovable」とshopifyの連携:「Lovable」は自然言語のプロンプトのみで、簡単にデザインの良いストアを構築できるAIコード生成ツールです。
この「Lovable」で構築されるストアは従来のテーマベースではなく、shopifyのEC機能とストアフロントを切り離したヘッドレス構成で構築されるため軽量で高速なストアを構築できます。
作成したストアはAIエージェントに依頼すればShopifyと連携してすぐに使うことが可能です。
▼実際に「Lovable」で生成したサイト

4. マーケティングとShopアプリの進化
集客機能の拡張
- Shopify Product Network(米国のみ):他のShopifyブランドの商品を自動表示し、販売手数料を得る仕組みが登場。
- Shop Campaigns拡張(米国のみ:関連ストアの検索結果や購入後ページへ自社商品を表示。
- Shopify Messaging & Forms:Shopify MessagingがSMSに対応しました。また、shopify formsが英語から多言語(19言語)への自動翻訳に対応しました。
Shopアプリ(モバイル)の強化
- ダイナミックストアフロント:買い物客ごとに関連商品をAIがパーソナライズ表示されます。
- Deals Feed & ショッピング動画:割引情報の専用フィード表示や、AI最適化された動画の配信が可能になりました。
- 注文追跡の拡大:ドイツ、フランス、イタリアなど21カ国で追跡機能が利用可能になりました。
5. 顧客体験とログイン機能の強化
主なポイント
- 管理画面へのパスキーログイン対応:指紋、顔認証、PINを用いた認証で、ストア管理画面に安全かつスムーズなアクセスできるようになります。
- Shopアカウント/ストア横断ワンタップログイン:既存のShopアプリ認証を活かしたスムーズなログインできるようになります。
- ソーシャルログイン(Google / Facebook等):顧客がより簡単にアカウント作成・ログイン可能になりました。
- 顧客のメールアドレス編集:これまで非常に要望の多かった、購入者自身でのメールアドレス変更がワンタイムパスコードで可能になりました。
6. POS・リアル店舗機能の拡張
主な更新
- Uber Direct連携(米・加・仏のみ):ライブ追跡付きの即日配送に対応。
- 新型バーコードスキャナーやHID互換スキャナーのサポート(POS HubはiPad対応で処理能力を持つ唯一のハブとして有線接続の安定性を提供)。
- POSからのサブスクリプション受付が可能に。
- POSでの在庫棚卸・スキャン操作からその場で在庫を更新(クイックカウント機能 ※POS Pro限定)。
7. チェックアウト体験の向上
主な改善点
- shopボタンに保存カードの下4桁表示:保存されたカードの下4桁が、Shop Payボタンに表示されることで顧客に既存の支払い手段を視覚的に示して購入導線を短縮します。
- マーケット別チェックアウトカスタマイズ:チェックアウトエディタから国やB2B顧客向けにアカウント・チェックアウトを設定できるようになります。
8. B2B(卸売)機能の本格化
B2B取引の柔軟性向上
- Shopify Collectiveの拡大:35カ国に対応し、管理画面から直接他ブランドとB2B取引が可能に。
- ERP統合:NetSuite、BrightPearl、Fulfilなど主要ERPとの統合が事前構築され、導入ハードルが低下。
9. オペレーション・物流・販売機能の改善
オペレーション・分析
- ヒートマップ分析:時間帯と曜日別の売上データを可視化し、ピークタイムを把握できます。
- Apple Watchウィジェット:主要KPIをアップルウォッチで確認可能になりました。忙しいマーチャント様には朗報ですね。
- shopify flowのアップデート:ワークフロー結果のプレビュー、ワークフローの実行キャンセルが可能になりました。
- AIを活用したチャージバック管理:配達追跡やストアのポリシーなどの重要な要素を含む、不服申し立てのサマリーを自動生成します。
10. 開発者向けアップデート
主なポイント
- Shopify Catalog for All:数十億の商品を検索可能なMCPツールとREST APIの提供が可能になりました。
- Checkout Kit for Web:JSライブラリにより、ブラウザ上(ウェブサイト)でチェックアウト体験を実装可能になります。
- Shopify Functionsの拡張:ScriptsからFunctionsへの移行促進、実行パフォーマンス・互換性の向上が可能になりました。
11. その他の便利機能
- 非公開商品ステータス:検索やコレクションに表示せず、直接URLでのみアクセス可能に。
- 組み合わせバンドル(Admin API):複数の属性を1つにまとめて販売できるようになります。
まとめ
今回のeditionsの最大のテーマはAI統合と自動化(Sidekick)と言えるでしょう。
画像生成からアプリ操作まで「実務を行うAI」へと進化しています。
また、Shopify Agentic StorefrontsやShopify Product Networkといった、日本では未公開ですが今後の販売チャンネル多様化を支える機能には今後も注目していきたいです。
その他にも、様々な機能追加されています。
興味を持たれた方、もっと詳しく知りたい方はぜひ公式ページ(日本語版)をご覧ください。
コマースメディアでは引き続きshopifyの新機能を検証して随時更新していきます。