70周年を迎えた老舗菓子店が選んだECパートナー
1954年、鎌倉・鶴岡八幡宮前で創業した鎌倉紅谷は、看板商品「クルミッ子」をはじめとする焼き菓子で全国に多くのファンを持つ老舗菓子店です。2024年に創業70周年を迎え、コロナ禍で加速したオンラインショップを下支えする基盤としてShopifyを導入し、保守運用パートナーにコマースメディアを選定しました。
本記事では、鎌倉紅谷のオンラインショップ運営を担うダイレクト・マーケティング部のキーパーソンに、ブランドの歴史やファンとのコミュニケーション、そしてパートナー切り替えの理由までを伺い、プロジェクトの裏側と今後の展望をまとめました。

ダイレクト・マーケティング部ディレクター 長野さん(右) マネージャー高梨さん(左) スーパーバイザー会さん(中央)
1. ブランドの成り立ち
──すでに「クルミッ子」は全国的な人気商品ですが、改めて貴社の概要を教えてください。
1954 年に鎌倉・鶴岡八幡宮前で創業し、2024年で70 周年を迎えました。代表菓子「クルミッ子」をはじめ、“おいしさ”に徹底的にこだわったお菓子を製造販売しています。
鎌倉紅谷が大切にしていることは、「おいしい」の先にある気持ちを一番大切にするお菓子屋です。おいしさはもちろん、わくわくやときめきも一緒にお届けし、「笑顔」と「しあわせ」づくりに貢献することを考えています。
──オンラインショップについて、皆さまが所属されているダイレクト・マーケティング部の役割も教えてください。
2001年頃にオンラインショップを立ち上げたことからスタートしました。当初は電話注文の窓口を兼ねる役割が大きかったのですが、コロナ禍で店舗を一時休業した際にオンラインショップの重要性を再認識し、本格的に注力することになりました。
もともとは店舗で働く方々も所属している販売課を含めての一部門でしたが、ダイレクト・マーケティング部として独立をしました。お客様にお買い物いただきやすい環境をご提供できるように、現在に至るまで何度かサイトのリニューアルも実施し、現在の運用体制に至っております。
ファンミーティング誕生の背景
──最近では、ファンミーティングを開催されています。どのような経緯で始まったのでしょうか。
高梨さんが司会を担当された第1回ファンミーティングの風景
ファンの皆さまと直接交流できる機会をつくりたい、という思いを長らく持っていたものの、なかなかリアルな機会を持つことが難しい状況が続いていました。
コロナも落ち着き、2024年の4月に実施した「創業70周年記念パーティー」へファンの皆さまを公募で募集してご招待させていただいた際に、ぜひ「ファンミーティングを実施して欲しい!」というお話をいただいたことに後押しされ、2024年11月に第1回目のファンミーティングを開催いたしました。
──公募は抽選制だったのでしょうか。
はい。鎌倉紅谷 公式オンラインショップ会員様限定の企画として、公式オンラインショップを通じた抽選形式で募集いたしました。初開催にも関わらず、募集人数に対し約6倍のご応募をいただき心から嬉しく感謝の気持ちでいっぱいになりました。
当日は、中部や近畿など遠方からわざわざ足を運んでくださった方もいらっしゃり、リアルな「場」を求めてくださるファンの方々の存在を実感できた瞬間でした。
2. コマースメディアにご依頼いただいた背景
──まず、前パートナーから乗り換えようと考えた理由を教えてください。
鎌倉紅谷 ダイレクト・マーケティング部ディレクター 長野さん
長野さん: 前パートナーさんには、サイト立ち上げから保守運用まで厚くご支援を頂けたこと感謝しています。ただ実際に運用が本格化してからは、次のステップへ進む上でより開発経験、運用経験の多いパートナー会社さんにお願いしたいという結論に至りました。
──そこで新たなパートナーを探されたわけですね。
長野さん: はい。3社を候補に比較検討することになり、その1社がコマースメディアさんでした。
ちょうどパートナー会社を探しているタイミングで店舗受取サービスを検討していて、コマースメディアさんはその質問に対してのレスポンスが良く、コミュニケーションがスムーズでしたので、まずはスポットで店舗受取サービスの実装をお願いしましたね。
関(コマースメディア):店舗受取サービスを実装しようとなりお試しで始めていただきましたよね。試用期間のような(笑)
長野さん:店舗受取サービスをやる時に、私たちが持っているイメージ通りの進行や、スムーズなコミュニケーションができれば保守もお願いしようと思っていましたが、想像以上の対応をいただけたと感じました。
鎌倉紅谷 ダイレクト・マーケティング部マネージャー 高梨さん(左)
高梨さん:短期間で弊社の仕組みを理解してくださったり、関係各所との調整もスムーズに行ってくれました。また、オリオンビール様やゴーゴーカレー様など食品ECの実績が豊富だった点も大きな安心材料で、お願いする決め手になりました。
小松原(コマースメディア):私は、もともとクルミッ子を知っていて、クルミッ子ファクトリーもプライベートで行くほどのファンだったので、なんとか支援したいと思っていましたね。
高梨さん:それは嬉しいですね。それこそ店舗受取サービスをリリースした時に、普通のパートナー会社さんだったらシステム上のテスト確認で終わるところを、実際に購入してくださり八幡宮前本店まで足を運んで頂き、お客様視点での購入体験をフィードバックいただきました。そのようなクライアント目線の姿勢とお気持ちも非常に嬉しかったですね。
会さん:エンジニアの方でそこまで考えてやってくださるというのが嬉しいですよね。
関(コマースメディア):エンジニア視点ではシステムの流れがうまくいけばいいとは思うんですけど、データがいった後の物の受け取りっていうところを実際に試してみたかったんですよね。
──店舗受取サービスについてはお客様から反応はありましたか?
会さん:お客様からは、ご来店いただいた際、確実に購入できて嬉しいというありがたいお言葉をいただいています。
3. 保守サポートの引き継ぎ対応
──前パートナーからコマースメディアへ保守を引き継ぐ期間はおよそ1〜2か月でしたね。
高梨さん:オンラインショップを運営しながらの引き継ぎだったので、当初はそれなりの業務負担を覚悟していました。でも実際には、タスクの洗い出しと引き継ぎスケジュールを作成いただき、その計画に沿ってスムーズに進行できました。
引き継ぎでは、3社で打ち合わせを重ねましたが、システム面の専門的なやり取りは御社と前パートナーで直接やっていただけたので助かりましたね。
──引き継ぎ後、運用フェーズで感じているメリットなどはありますか。
長野さん:トラブルが起きた時に、すぐに対応いただけるというのは大きいです。頼んだら当日に解決することもあります。スピードの裏には技術力というのがありますし、すぐに頼ることができるというのが安心して取り組めています。
高梨さん:今の人気商品を扱う弊社の販売方法を理解してくださった上で提案をいただけるのが良いですね。「一般的にはこうだよね」というのではなく我々に合わせた提案という点で。
長野さん:確かに。我々が気づかないことまで先回りしてくれたりとかね。あとNO思想がないのでどうやったらできるかを考えてくれるところは私たち事業者にとっては嬉しいですね。
Shopifyの良かった点
──Shopifyを実際に使ってみて、前カートシステムと比べて良かった点はどのようなところでしょうか。
高梨さん:まずサーバーの安定性ですね。以前はアクセスが集中するとページが重くなり、お客さまにご迷惑をおかけすることが多々ありました。Shopifyに移行してからは一度もそのような事象が起きていません。
機能追加のハードルが下がった点も大きいです。例えば抽選販売を実装したい要望には前カートシステムでは難しかったのですが、Shopifyではスムーズに実現できました。
──アプリ活用の具体例を教えてください。
高梨さん: 在庫アップロードまわりでMatrixifyを採用しています。以前使っていたアプリは不具合が多く苦労していたのですが、定例ミーティングでコマースメディアさんから「Matrixifyで解決できますよ」と改善案をいただき業務効率化できました、今では欠かせないアプリの1つです。
また、業務の効率化ではShopify Flowに、データ分析ではAIアシスタントのSidekickに助けられております。
最後に
──鎌倉紅谷様として、今後取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
高梨さん: 当社には店舗がありますので、“店舗でもオンラインショップでも同じように楽しめるサービス” を強化したいと考えています。
──ここまでありがたいお言葉を頂戴しましたが、改善点や追加のご要望があればお聞かせください。
長野さん: 不満はありませんが、あえてリクエストするのであれば、自社サイトのさらなる改善提案や、他社事例を踏まえたベストプラクティスの共有、私たちだけでは気づけないアイデアを「こんな施策はどうでしょう」と先回りして頂けることを期待しています。
貴重なご意見をありがとうございます。貴社ECに訪れるお客様が満足いく購入体験ができるよう引き続きサポートいたします。
コマースメディア担当:小松原、関、豊田、高橋