「Shopifyストアを開設する際に独自ドメインを取得したい」
「既に取得している独自ドメインを使ってShopifyストアを開設したい」
Shopifyで自社ECサイトの構築や移行を行う際、初期段階で相談が多いことのひとつが、独自ドメイン(カスタムドメイン)の設定方法です。
本記事では、独自ドメインの新規取得と、既存の独自ドメイン利用の2パターンについて、実際の管理画面を例に挙げながら、Shopifyストアにおける設定方法を解説します。
また、Shopifyで独自ドメインを設定する際に知っておくべき点として、SSL化とメール転送設定があげられます。この2つの点についても、注意点を挙げながら解説します。
【新しくドメインを取得する方】Shopifyで独自ドメインを購入・設定する方法
Shopifyで新たに独自ドメインを購入・設定するのは簡単です。大まかに手順を説明すると、次のようになります。
- 管理画面にアクセスし「オンラインストア」の「ドメイン」をクリック
- 「新しいドメインを購入する」をクリック
- 購入したいドメインを入力
- ストアで使用できるドメインを選び「購入する」から決済を行う
- クレジットカード情報入力・決済
各手順について、実際の画面と共に紹介していきます。
1.管理画面にアクセスしオンラインストアのドメインをクリック
管理画面に、ストアオーナーアカウントでログインします。
そして、左サイドにあるメニューより、「オンラインストア>ドメイン」(上画像の赤枠で囲った部分)をクリックします。
上画像では、すでにShopifyで購入・設定済のドメインがあり、それが表示されています。
購入・設定済のドメインがない場合は、「新しいドメインを購入する」ボタンと「既存のドメインを接続する」というテキストリンクのみが表示されます。
2.「新しいドメインを購入する」をクリック
管理画面の「オンラインストア>ドメイン」ページにて、「新しいドメインを購入する」ボタン(上画像の赤枠で囲った部分)をクリックします。
すると、上画像のような画面になります。
3.購入したいドメインを入力
「購入したいドメインを入力してください。」という欄(上画像の赤枠で囲った部分)に、購入したいドメインを入力します。
4.ストアで使用できるドメインを選び「購入する」から決済を行う
購入したいドメインを入力すると、その下に候補となるドメインが表示されます(上画像の赤枠で囲った部分)。
購入可能なドメインの横には、費用と「購入する」(もしくは「Buy」)ボタンが表示されるので、希望のドメインの「購入する」ボタンをクリックしましょう。
なお、すでに使用されているため使用できないドメインの横には「利用できません」(もしくは「Unavailable」)と表示されます。
5.クレジットカード情報入力・決済
購入したいドメインの「購入する」(もしくは「Buy」)ボタンをクリックすると、クレジットカード入力画面となります。必要な情報を入力して、規約を確認しましょう。
「毎年このドメインを自動更新する」(もしくは「Auto-renew this domain every year」)にチェックを入れておくと、ドメインの使用が1年ごとに自動更新されます。
最後に「ドメインを買う」(もしくは「Buy domain」)をクリックすれば、ドメイン購入・設定が完了します。
購入後、ドメインが反映されるまで
ドメインの購入が完了すると、Shopifyから確認メールが送信されます。
購入したドメインは、48時間以内に反映されます。
【すでにドメインをお持ちの方】Shopifyにて独自ドメインの追加・設定をする方法
Shopifyの外部サービスで取得したドメインをShopifyストアで使うことも可能です。
その場合、次に解説する手順で、当該サービスの管理画面とShopifyの管理画面の両方で手続きを行います。
契約しているドメイン管理サービスのDNSレコードを変える
まず、追加・設定したいドメインを契約しているサービスの管理画面に入り、DNSコードについて次の2つの設定を完了させてください。
1.DNSコードのAレコードの変更
DNSレコード設定において、Aレコードをすべて、ShopifyのIPアドレス「23.227.38.65」に変更してください。
2.wwwのCNAMEレコードの設定
DNSレコード設定において、「www」のCNAMEレコードに「shops.myshopify.com」を設定してください。
ここの設定が一番つまずきやすい点かと思います。不明な点は、ドメインを取得した管理サービスに問い合わせてみてください。
Shopify管理画面にアクセスしオンラインストアのドメインをクリック
次に、Shopifyの管理画面に、ストアオーナーアカウントでログインします。
そして、左サイドにあるメニューより、「オンラインストア>ドメイン」(上画像の赤枠で囲った部分)をクリックします。
上画像では、Shopifyで購入・設定済のドメインがあり、それが表示されています。
購入・設定済のドメインがない場合は、「新しいドメインを購入する」ボタンと「既存のドメインを接続する」というテキストリンクのみが表示されます。
「既存のドメインを接続する」をクリック
「オンラインストア>ドメイン」ページにて、「既存のドメインを接続する」をクリックします。すると、上画像のようなページが表示されます。
すべての設定が正しく行われていれば、「ドメイン (○○○○○○) が正常に接続されました」(または「Your domain,(○○○○○○),was successfully connected」)と表示されます(○○○○○○には追加・設定したドメインが入る)。
接続は48時間以内に反映されます。
取得したドメインを入力して次に進み接続を確認
「接続したいドメインを入力してください。」の欄(上画像の赤枠で囲った部分)に、追加・設定したドメインを入力(「www」は不要)、「次へ」(もしくは「Next」)ボタンをクリックします。
Shopifyで独自ドメイン設定する際の注意点
SSLを導入しよう
ShopifyストアはデフォルトでSSL対応となります。独自ドメインを設定する場合、設定後、48時間以内にSSL証明書が発行されます。
SSL証明書が発行されるまでは、Shopify管理画面の「オンラインストア>ドメイン」ページにおいて、ドメインの横に「SSL保留中」と表示されます。
この期間にサイトにアクセスすると、ブラウザにセキュリティエラーの表示が出ることがあります。
ドメイン設定後48時間が経過してもSSL証明書が発行されない場合、ドメインが正しく設定できていない可能性があるので、設定を見直しましょう。
お客様へのメール対応に注意しよう
Shopifyではメールホスティングサービスを提供していません。そのため、Shopifyストアにおいてメールでのお客様対応を行う場合、外部のメールホスティングサービスを利用する必要があります。
ただし、そのまま外部のメールホスティングサービスを使うと、ドメインとメールアドレスが関連しない形になり、お客様に対して不親切です。
どういうことかというと、たとえば独自ドメインが「settingdomains.com」というストアのメールアドレスは「info@settingdomains.com」というように、ドメインと@以下のアドレスが関連しているのが一般的です。
しかし、外部のメールホスティングサービスを使う場合、そのままでは、メールアドレスの@以下が外部サービスで決まっている形となります。たとえば「settingdomains.com」というストアなのに、メールアドレスが「info@mailservise.com」といったサイトと関連がないものになってしまうのです。
Shopifyのメール転送サービスを利用する
前述のメールアドレスに関する問題を解決する方法として、Shopifyでドメインを購入した場合、またはドメインをShopifyに移管した場合は、Shopifyのメール転送サービスが利用できます。このサービスを利用することで、外部のメールホスティングサービスを利用しながら、ストア宛メールアドレスの@以下に、独自ドメインを設定できます。
前述の例でいえば、独自ドメイン「settingdomains.com」というストアのメール問い合わせ先を、「info@settingdomains.com」と設定できるのです。
また、転送メールアドレスの数に制限はないため、「info@settingdomains.com」「order@settingdomains.com」「support@settingdomains.com」というように、@以下が独自ドメインのメールアドレスを、担当者ごとや用途ごとに設定することもできます。
ただし、メール転送設定を行っても、ストアからユーザーにメールを送信する際のメールアドレスは、@以下が外部メールホスティングサービスのものとなります。
どういうことかというと、ユーザーは「info@settingdomains.com」宛にメールを送信できますが、ストアからユーザーにメールを送信する際の送信元アドレスは「info@mailservice.com」となってしまいます。
送信元アドレスも独自ドメインにしたい場合は、Zoho MailまたはG Suiteのメールホスティングサービスを利用することをおすすめします。これらのサービスであれば、送信元アドレスも独自ドメインとする設定が可能です。
外部でドメインを取得している場合のメール設定
Shopifyのメール転送設定を利用できるのは、Shopifyでドメインを購入しているか、Shopifyにドメインを移管した場合です。
外部でドメインを取得していて、メールアドレスに独自ドメインを設定したい場合、Shopifyで設定を行うことはできません。そのドメイン管理サービスと外部のメールホスティングサービスとで設定を行う必要があります。
Shopifyでのメール転送設定の方法
Shopifyのメール転送設定は次の方法で行います。
- Shopify管理画面にオーナーアカウントでログイン、
「オンラインストア > ドメイン」ページに移動 - Shopifyが管理するドメインセクションで、メール転送を設定するドメインをクリック、「転送メールアドレスを追加する」(または「Add forwarding email adress」)をクリック
- 「ストアのメールアドレス」(または「STORE EMAIL ADRESS」)欄に、独自ドメイン用に作成するメールアドレスの@より前の部分を入力
- 「転送メールアドレス」(または「FORWARDING EMAIL ADRESS」)欄に転送先のメールアドレスを入力
- 「保存」をクリックして転送設定完了。
同様の方法で複数のメールアドレスを自由に設定できる。
送信元アドレスを独自ドメインにする方法
Zoho MailまたはG Suiteのメールホスティングサービスでは、それぞれのサービスで独自ドメイン対応のサービスを利用した上で、Shopifyで次の設定を行うことで、送信元アドレスも独自ドメインにすることが可能です。
- Shopify管理画面にオーナーアカウントでログイン、
「オンラインストア > ドメイン」ページに移動 - Shopifyが管理するドメインセクションで、メール転送を設定するドメインをクリック、「外部サービスのホスティングサービスを使用する」をクリック
- プロバイダー(Zoho MailまたはG Suite)を選択し、ドメイン認証時に提供された情報を入力( Zoho MailはZohoコード、G SuiteはTXTコードまたはメタタグ)。
- 「保存」をクリックして設定完了
独自ドメインによるストア構築における有用性
Shopifyで独自ドメインを設定しない場合、ストアのドメインは「○○.myshopify.com」となります(○○部分がストアごとの設定となる)。
独自ドメインの取得には費用がかかりますが、それでも独自ドメインを設定したほうが良い理由として、次のような独自ドメインの有用性が挙げられます。
ユーザーにとって分かりやすい
一般的に、ユーザーがサイトURLを見たとき、「○○.myshopify.com」よりも「○○.com」のほうが会社やブランドと結びつきやすく、認知されやすいと考えられます。
ECの運営者からすればShopifyは有名なプラットフォームですが、一般ユーザーがプラットフォームを認識していることは少なく、ドメインに「myshopify」と入っているのは、わかりにくい印象を与えてしまうかもしれません。
SEO対策
SEOでは、途中でドメインを変えると、そのドメインに蓄積されていた価値が失われてしまいます。
独自ドメインが変わるのは、自社でドメインを変えようとしたときだけですが、非独自ドメイン(サブドメイン)は、ドメインを提供するサービスの変更や終了によりドメインが強制的に変ってしまうリスクがあります。
また、サブドメインの場合、同じドメインのサイトが検索エンジンからペナルティを受けたり、コンテンツが類似していた場合、自社のサイトには問題がなくとも、SEO的に不利になることがあります。
独自ドメインであれば、そういった心配なくSEO対策を行うことができます。
関連サイトを作りやすい
独自ドメインでは、共通するドメインを持つ関連サイトを作ることができます。
たとえば、「○○.com」という独自ドメインを持っていたとして、「●●.○○.com」というサブドメインで別サイトを作ることができるのです。
これにより、ブランドごとのサイト展開や、会社サイトと求人サイトといった関連サイトを展開しやすくなります。
【まとめ】Shopifyで独自ドメインを設定し運用する方法
Shopifyでは簡単に独自ドメインを設定することができます。特に、Shopifyで独自ドメインを購入すれば、とてもシンプルに設定が完了します。
既に独自ドメインを持っている場合、そのドメイン管理サービスでの設定も必要になるため、やや設定手順が増えますが、それでも難しい手続きはありません。
ただし、設定後SSL化までに少し時間がかかる場合があるため、サイトを本格稼働するタイミングに気を付けましょう。
また、Shopifyではメールホスティングサービスを提供していないため、Shopifyでドメインを購入した場合、独自ドメインのメールアドレスを利用するには別途転送設定が必要な点は覚えておきましょう。
独自ドメインを設定することで、ユーザーから認知されやすく、SEO的にも有利になります。自社ECサイト構築においては、独自ドメインの利用を強くおすすめします。
また、ひとつのECサイトだけでなく、ブランドごとのサイトなど関連サイトの展開を考えている場合は、独自ドメインが必要不可欠といえます。
Shopifyの独自ドメイン設定は難しくありませんが、ネットワーク関連の用語が出てくることや、メール転送設定などがややわかりにくいと感じることもあるかもしれません。
サイト構築の土台となる大切な部分ですので、不安がある場合は、Shopifyによるサイト構築をサポートする企業に相談してみてください。弊社でもサポートを行っておりますので、気軽にご相談ください。