ECサイト・ネットショップの集客方法

ECサイト・ネットショップの集客方法

ECサイト・ネットショップを始めてみたものの、

  • 思うように集客ができていない
  • 周りに相談できる人がおらず、集客施策が正しいのかわからない
  • 費用をかけずに集客したい

といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
今回はそういった方々に向けて、自社ECサイトでの基本的な集客方法をご紹介します。

この記事は主にECサイト・ネットショップを始めたばかりの方に向けた、基本的な集客方法についてまとめたものです。

【この記事のポイント】

  • ECサイト・ネットショップの集客方法が分かる
  • 集客したいユーザーに合った広告の種類が分かる
  • 迷ったらまずはじめに実施したい集客方法が分かる

代表的な集客施策一覧

まずは代表的な集客施策として、どんなものがあるか見ていきましょう。

ECサイトの集客方法一覧

代表的な集客施策

今回は大きく分けて4つの集客施策(SEO / WEB広告 / SNS / PR)についてご紹介します。

SEOによる集客

SEO(Search Engine Optimization 検索エンジン最適化)はECサイト運営者自身で実施できる費用のかからない集客施策です。ユーザーの検索結果に対して、より上位に表示させることを目的とした施策です。

こちらのグラフは日本国内における検索エンジンのシェアを示したものです。

日本国内の検索エンジンではGoogle、Yahoo!、Bingでシェアの99%を占めています。
この内Yahoo!はGoogleの検索技術を利用しており、GoogleとYahoo!のシェアを合わせると90%を超えています。
つまり、日本国内でのSEOは基本的にGoogle検索への最適化と考えることができます。
SEOには大きく分けて内部対策と外部対策の2種類があります。

内部対策

内部対策とは、文字通りサイト内部のSEO施策です。 内部対策では主に次の3点を目的に各施策を実行していきます。

  • Googleにサイトの構造を正しく認識してもらう
  • クローラーの巡回を促す
  • モバイルフレンドリー

Googleにサイトの構造を正しく認識してもらう

マークアップ

ユーザーの検索クエリ(キーワード)に対し、ページの中身(コンテンツ)がどれだけマッチしているか、が重要となります。 具体的には、ページタイトル(title)、見出し(hタグ)、画像のalt属性、メタディスクリプション(meta description)*などにキーワードや、関連する語句が含まれていることが重要です。マークアップによって、Googleはページの内容を理解します。

*メタディスクリプション自体は検索順位に影響しませんが、分かりやすいページの説明を表示することでクリック率に影響します。
構造化データ

Googleがページのコンテンツを更に正確に理解するための方法として、JSON-LDに代表される構造化データを提供することも重要です。
構造化データは検索順位に直接影響しませんが、検索結果に表示される内容がより充実するため、クリック率の向上が見込めます。 構造化データについては少々技術的な内容になりますので、過去に公開したこちらの記事も参考にしてください。

これらの情報を元にGoogleはそのページのコンテンツを把握し、ユーザーの検索クエリに対しより有益なページを上位表示させます。
当然、上位に表示されている方が集客力は高くなります※。

クローラーの巡回を促す(インデックス登録を促す)

Googleは常にweb上をクロールしているため、いずれ該当のページもクロールされ、インデックス登録されるかもしれません。 しかし、いつ登録されるのかは定かではありませんし、登録されなければ検索結果にも表示されません。表示されないということは、検索からの集客ができないということです。
クローラーの巡回を促す方法としては以下の3項目があります。

サイトマップを送信する

sitemap.xmlをGoogleに送信することで、サイト内の階層構造および、どのようなページがあるかクローラーに認識させることができます。認識された状態であれば、クローラーが巡回しやすくなるため、インデックス登録までの期間が早くなる可能性があります。

内部リンクを設置する

ページ内にサイト内の別のページのリンクを設置することで、そのページにクローラーが巡回してきた際に、リンク先のページへのクロールを促すことができます。 ECサイトではカートシステム側の機能で商品ページに関連商品のリンクを設置できたりしますが、その他のページにおいても関連性の高いページのリンクを設置するなどして、クローラーの巡回を促しましょう。

インデックス登録を申請する

インデックス登録はGoogleサーチコンソールからURL検査を実行することで申請することができます。 新しいページを作成したらサイトマップの送信と合わせて実行しましょう。登録済みのページであっても、更新した際は申請するすることを心がけておくと良いでしょう。

サーチコンソールでインデックス登録を申請する

Googleサーチコンソールでインデックス登録を申請

モバイルフレンドリー

近年スマートフォンの普及により、WEBページのアクセスの大半がモバイルデバイスでのアクセスとなっています。 そのため、Googleは2015年からモバイルデバイスに最適化されたページを上位表示させるようになりました。 具体的には文字のサイズやコンテンツの表示幅(レスポンシブディスプレイ)、ボタンのサイズや配置など、モバイルユーザーの使い勝手が良いかどうかが判断されます。 サイトがモバイルフレンドリーかどうかは、こちらもサーチコンソールから確認することができます。

サーチコンソールでモバイルフレンドリーかチェックする

Googleサーチコンソールでモバイルフレンドリーの確認

コンテンツ

近年はコンテンツの質を重視するようになっています。ページ内のコンテンツを作成する際は、ユーザーにとって有益なコンテンツを作成しましょう。
ECサイトにおけるコンテンツの代表的な例として、ブログなどのオウンドメディアがあげられます。特定の商品に関連した記事(食品であればアレンジレシピなど)や、自社のノウハウを紹介する記事などは長期的に集客してくれるコンテンツとなり得ます。今すぐの売上が期待できるわけではありませんが、将来的に購入してくれる可能性のあるユーザー(見込み客)の育成手段として、積極的に発信していくと良いでしょう。

外部対策

SEOにおける外部対策とは、”良質な”外部リンクを獲得することです。 ”良質な”ことがポイントです。関連性の低いwebサイトなどからむやみにリンクを獲得しても集客にはつながらず、ペナルティを受けるだけです。 例えば、ECサイトとは別に企業のサイトであったり、商品やブランドのサイトを運営している場合、それらのサイト内の関連性の高いページからECサイトへリンクを設置しましょう。
また、プレスリリースなどを利用することで大手のメディアサイトからのリンクを獲得することも可能です。リンクの獲得状況についてはこちらもGoogleサーチコンソールから確認することができます。

【関連記事】

※検索順位とクリック率について

こちらは2021年の日本国内における検索順位とクリック率を示したグラフです。1位のクリック率が高いのは当然ですが、スマートフォンの普及により一昔前と比べて上位のクリック率は低下しているようです。2ページ目の下段(16~20位)のクリック率が高くなっていますが、この順位を狙うのは難しいので、集客の柱になり得るページについては1位を目指しつつ、その他のページについてもまずは10位以内を目標にSEOに取り組みましょう。

2021年日本国内の検索順位とクリック率

出典:seoclarity

WEB広告による集客

WEB広告は費用さえかければ短期的かつ確実にアクセスを増やすことのできる集客施策です。どの広告がショップの現在のフェーズにマッチしているのか、検討した上で予算配分しましょう。

リスティング広告

リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれ、検索結果の上段と下段に表示される広告です。前述の通り、日本国内ではGoogleとYahoo!でシェア90%以上を締めているため、Google、Yahoo!の検索結果に表示される広告と理解しておけば良いでしょう。 Yahoo!はGoogleの検索技術を利用しているとお伝えしましたが、リスティング広告はそれぞれGoogle広告、Yahoo!広告として独立したサービスを展開していますので、どちらか一方でということであれば、シェアの大きいGoogle広告から始めましょう。

リスティング広告での集客はクリックごとに費用が発生します。予算は1日単位で設定できるため、少額からでも運用が可能です。 リスティング広告の出稿はキーワードに対して行うため、ある程度購買意向をもったユーザーに対して表示させやすいのが特徴です。 ECサイトオープン直後は検索結果で上位表示が難しいため、この期間の検索経由の集客の補助としても有効な施策です。

リスティング広告とショッピング広告については、こちらのブログでより詳しく解説していますのであわせてご確認ください。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は配信するターゲットを絞り、特定のwebサイトやアプリ上の広告枠に画像や動画とセット(またはテキスト単体) で表示できる広告です。

リスティング広告同様、Google(GDN)とYahoo!(YDA)それぞれでサービス展開しています。GDNはGoogleの提携先企業の他、GoogleAdSenseを利用しているサイトに表示されるため、個人のブログなども対象になります。YDAはYahoo!の運営しているWEBサイトを中心に、いくつかの提携先企業のサイトに表示されます。

ディスプレイ広告は特定のターゲットに対し、認知拡大したい場合に有効な広告です。例えば新しい化粧水の認知を広めたい場合、ターゲットとなる年齢・性別を絞った上で、美容関係のwebサイトに出稿することで、化粧水に関心が高いと思われる人たちに広告を配信することが可能です。ターゲットが絞れるため、広告をクリックされる可能性が高くなります。商品やサービス、ECサイトそのものの認知を拡大したいときにおすすめの集客方法です。
また、リマーケティング(Yahoo!ではリターゲティングと表記)リストを利用し、一度ECサイトに訪問済みのユーザーに対して配信する、といったことも可能です。

一点注意が必要なのが、認知拡大段階での集客には適しているのですが、リスティング広告に比べコンバージョン率は低くなる傾向にあります。ディスプレイ広告は興味段階でのクリックが増えるためです。 認知拡大に適していると言えますが、集客したいユーザー層に合わせて予算配分を検討しましょう。

Googleショッピング広告

Googleショッピング広告は検索結果の最上位や右側、Googleのショッピングタブの最上位の他、ディスプレイネットワーク、YouTube等にECサイトの商品単位で出稿する広告です。利用するにはGoogle Merchant Centerに商品情報をフィードする必要があります。

リスティング広告やディスプレイ広告の様にターゲティングは不要で、ECサイトからフィードされた商品情報を元に、予算に応じてGoogleが最適な形で配信します。
細かい設定が不要な分、商品情報が充実していることが重要です。

また、ECサイトの他に実店舗も運用している場合には、実店舗の在庫を表示し、近くのユーザーに向けて配信、店舗へ集客することも可能です。

Shopifyならフィードも簡単

現在のところ、カートシステム側でGoogle Merchant Centerへ自動的にフィードが可能なのはShopifyとwoocommerceのみとなっています。 Shopifyの場合、こちらのアプリをインストールすると連携が可能です。

Googleチャネルアプリ

Shopifyの管理画面

ShopifyでGoogleショッピング広告を配信する方法はこちらのブログで詳しくご紹介していますので、あわせてご確認ください。

無料の掲載枠も

広告ではありませんが、商品情報をGoogle Merchant Centerにフィードしておくことで、無料の掲載枠に表示される可能性もあります。 費用をかけずに集客するチャンスですので、ショッピング広告に回すだけの予算がない場合でもGoogle Merchant Centerにデータをフィードしておくと良いでしょう。

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、第三者(アフィリエイター)の運用しているメディアに商品を掲載し、そのメディアのユーザーに紹介してもらう広告です。成果報酬型の広告になるため、アフィリエイト経由で購入が発生しなければ広告費の支払いは発生しません。 費用は商品代金の10%前後が相場ですが、当然報酬額が大きい方が紹介されやすくなります。

アフィリエイトの仕組み

アフィリエイトの仕組み

SNS広告

Facebook、Instagram、twitter、LINEなど、SNS上のタイムラインに表示される広告です。
総務省の発表によると、令和2年度の国内の主なSNS利用率はLINEが90.3%と最も高く、次いでtwitterとInstagram、Facebook、TikTokと続きます。
※調査ではYouTubeがLINEに次ぐ利用率でしたが、YouTube広告はこれまでに紹介した Google広告の一部ですので、ここでは除外します。

LINEは圧倒的に利用者が多く、それだけ集客の機会が多くなります。
Twitterはリツイート機能による拡散性が高いため、広告の内容によっては非常に高い費用対効果が得られる可能性があります。
Facebookは実名登録のため、ユーザー情報が正確です。細かいターゲティングをするのに適しています。
Instagramは写真の投稿が中心のため、商品画像を使って自然な流れでクリックまで導くことが可能で、ECサイトとの親和性が高いです。また、Facebook同様、細かいターゲティングが可能です。
Tik Tokはこの1、2年で急速に利用者を伸ばしています。特に10代の利用者数が多く、TwitterやInstagramに迫る勢いです。
それぞれの特徴を把握した上で、販売する商品がどの媒体に出稿するのが最適なのか検討しましょう。

SNSによる集客

前項にてWEB広告における集客施策の一つとしてSNS広告をあげましたが、SNS自体は当然無料で利用することができます。 広告を利用して露出を増やすまでは予算の関係でできなくても、できる範囲で定期的に発信を行っていきましょう。

以下のグラフは総務省が発表した令和2年度のSNS利用動向に関する調査のうち、利用目的をまとめた結果です。SNS利用者のうち、実に60%以上の方が情報収集を目的として利用していることがわかります。

令和2年度SNS利用目的

出典:総務省 令和2年通信利用動向調査ポイント
※グラフは出典元の数値を元に弊社で作成

SNSによる発信はこうした情報収集を目的とした人たちに向けてサイトや商品のPRができる上、長期に渡り一貫性のある投稿を続けることでブランドイメージの醸成にも繋がります。

また、もう一つ大きな特徴として他の集客施策にはない、ユーザーとの直接の接点をもてることが挙げられます。日々のECサイト運営に加え、SNS上でのユーザーとのやり取りは大変ではありますが、ユーザーとの関係性構築のためにも積極的に活用しましょう。

こちらのブログでShopifyとFacebook、Instagramを連携する方法をご紹介していますので、合わせてご確認ください。

PRによる集客

PR施策は自社のリソースでメディアにリリースする方法と、PR Times@Pressなどのサービスを利用して配信する方法があります。
後者は1件あたり数万円の費用(月額プラン有り)がかかりますが、配信先の管理や、費用対効果の測定などを考えるとこれらのサービスの利用がおすすめです。

リリースを行うことで各種メディアに掲載される可能性があります。掲載されることで認知を広められる上、WEB媒体等に掲載されれば外部リンクを獲得することも可能です。特に外部リンクの数が限定されているECサイトオープン直後においては、ぜひ実施しておきたい項目です。
注意しておきたいのがリリースのタイミングです。
実店舗での販売や、雑誌掲載を目的とした場合には取材〜紙面掲載まで2ヶ月前後要するため、それより前にリリースする場合がありますが、ECサイトの場合、掲載直後からサイトや商品が閲覧できること(もっというと購入または予約ができること)が望ましいです。早ければプレスリリースの2、3時間後にはWEB媒体に掲載が始まり、指定したECサイトのURLへアクセスが可能になりますので、リリース前にオープンできるように準備しておきましょう。

【まとめ】ECサイトを開設したらまずはじめに取り組みたい集客施策

ここまでいろいろな施策をご紹介してきました。結局何からはじめたら良いのかと疑問を持たれたかもしれません。
最後にECサイトを開設した直後に実施しておきたい集客施策をまとめておきます。

SEO内部対策&リスティング広告

前述の通り、SEO内部対策の効果が確認でき、検索結果に上位表示されるまではある程度時間がかかります。
ECサイトオープン前から実行し、できるだけ早期にインデックス登録されるように取り組みましょう。
また、この間、検索経由での集客がなかなかできない期間となってしまいます。その間ユーザーの検索結果にECサイトを表示させるためにも、リスティング広告の併用がおすすめです。

SNSアカウント作成

すぐに本格的な運用ができないとしてもアカウント作成だけはオープン前に実施しましょう。SEO同様、SNSのフォロワー獲得も短期的に成果を出すのは難しいため、継続的な取り組みが必要です。フォロワーからのコンタクトにはできる限り返信し、ユーザーとの関係構築を進めていくこともECサイトの集客には重要なポイントです。

身近な人へのアナウンス

意外と忘れがちなことですが、ご自身の身近な人達へのアナウンスも重要です。
新しくこんなECサイトをオープンした、ということを共有し、初期のユーザーとなってもらいましょう(必ずしも購入して貰う必要はありません)。
その際、可能ならECサイトの使い勝手など、意見をもらえるとなお良いです。

既存サイトからのリンク

ECサイトとは別に企業サイトやブランドサイトを運営している場合、それらのサイト内の関連性の高いページからECサイトへリンクを設置しましょう。もともとある程度集客できているサイトであれば、それだけで一定の集客が見込めます。

コマースメディア株式会社

国内3社目のShopifyエキスパートとして、サイトの制作・運営・物流までワンストップでサービスを展開しています。
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