「ECサイト構築のために、ShopifyとWooCommerceを比較したい」
「ShopifyとWooCommerceの価格や手数料、機能などの違いを知りたい」
「ShopifyとWooCommerceそれぞれのメリットデメリットを比べたい」
本記事はそんな方のための記事です。
ECサイトで必須のショッピングカート機能。独自で構築できなくはありませんが、既存のシステムを利用することで、より簡単により販売力の高いWebサイトを作れます。
既存のショッピングカート機能の中でも注目の「Shopify」と「WooCommerce」。
本記事では、そんなShopifyとWooCommerceについて、Shopify Expertsに認定されている弊社が丁寧にお伝えしてまいります。
この記事のポイント
- ShopifyとWooCommerceを多角的に徹底比較(比較表あり)
- ShopifyとWordPressの連携方法がわかる
- WooCommerceからShopifyへの移行方法もご紹介
【前提】WooCommerceとは?
「WooCommerce」とは、ECサイトに必要なショッピングカート機能を有したWordPressのプラグイン(追加機能)です。同プラグインは、WordPress上で5万件以上インストールされています。(2020年5月12日現在)
WordPressで構築されたWebサイトがあれば、そのWebサイト内に「ECサイト機能を追加する」といったことが可能。既存のWebサイトにショッピングカート機能を追加するため、スムーズに販売につなげられます。
ただし、最低限のWordPressの知識は必要となります。日本で見られるBASEやSTORES.jpなどの無料ショッピングカートと比べると、ECサイトとして運用を開始するまでに少し時間がかかるかもしれません。
このようにWooCommerceの利点は「WordPressに組み込みやすい」という点がよく知られています。しかし、ShopifyでもWordPressとの連携は可能で「 Shopify Lite 」という月額9USドルのライトプランがあります。
ShopifyとWordPressの連携方法については、のちほど解説します。
【比較表あり】Shopify vs WooCommerce徹底比較
Shopify | WooCommerce | |
---|---|---|
長所 | ・主に3つのプランがあり、料金がクリア ・ドメインやSSL証明書、サーバー費用が含まれている ・強力なインフラ(サーバーパフォーマンスが高い) ・美しいテンプレートが用意されている ・取引量に応じたECプラットフォームの乗り換え検討の必要がない |
・WooCommerce自体は無料で利用できる ・カスタマイズ性に優れている ・スタイリッシュな独自のテンプレートが用意されている |
短所 | ・カスタマイズするために、独自のコーディング言語「Liquid」を学ぶ必要がある | ・自身でWordPressサイトを用意する必要がある ・ドメインやSSL証明書など別途費用がかかる |
下記では、詳細にShopifyとWooCommerceを比較していきます。
1. 価格
価格に関して、月額のランニングコストと、導入時にかかるイニシャルコストの2つがあります。それぞれのツールごとに見ていきましょう。
Shopify
Shopifyの料金体系は主に下記の3つのプランがあります。
ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン | |
---|---|---|---|
月額料金 | 29USドル | 79USドル | 299USドル |
さらに、この料金内にドメイン、SSL証明書、およびサーバーの料金がすべて含まれており、料金がクリアです。
そしてShopifyのサーバーパフォーマンスは非常に高いのも注目すべきポイントの一つです。ピーク時の実績として1分間で10,149の受注を障害なく耐えるインフラで構成されています。
また、取引量に応じたECプラットフォームの乗り換え検討の必要がなく、プラン変更をするだけでよいという点も重要なポイントです。
この他にECサイトの有料のテーマやアプリを導入する場合は、当然費用が追加されます。
【関連】 Shopifyの料金プラン。販売手数料、もしもの解約方法まで解説
WooCommerce
WooCommerceはオープンソースのプラグインなので利用自体は無料。イニシャルコストもランニングコストもかかりません。
しかし、その他のコストとしてECサイトを構築するためにはドメイン、SSL証明書、サーバーの費用がかかります。そして、Shopify同様に、有料のWordPressテンプレートやその他プラグインを導入する場合は費用が追加されます。
そのため、場合によってはShopifyよりもコストがかかる可能性があります。
2. 手数料
ShopifyもWooCommerceも決済時に「決済手数料」と「振込手数料」がかかります。
Shopify
Shopifyの決済手数料はプランによって変わります。その他にも「クレジットカードの種類」と「決済方法がShopifyペイメントかどうか」によっても変わります。
決済手数料一覧表
ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン | |
---|---|---|---|
国内発行のカード | 3.4% | 3.3% | 3.25% |
海外発行のカード/AMEX | 3.9% | 3.85% | 3.8% |
Shopifyペイメント以外の決済サービスを使用する場合の追加料金 | +2.0% | +1.0% | +0.5% |
「Shopifyペイメント」とはShopifyが提供する決済手段。
「Shopifyペイメント」に登録することで、各種クレジットカードでの支払いがShopifyを通して可能となるため、他の決済代行アカウントが不要となります。
また、「Apple Pay」や「Google Pay」とも連携でき、購入完了までの手続きが簡単になります。
そして、それぞれの決済手数料は「Shopifyペイメント」のレートが適用されます。「Shopifyペイメント」利用時の手数料は下記の通りです。
ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン | |
---|---|---|---|
国内発行のカード | 3.4% + ¥0 | 3.3% + ¥0 | 3.25% + ¥0 |
海外発行のカード/AMEX | 3.9% + ¥0 | 3.85% + ¥0 | 3.8% + ¥0 |
ご覧の通り「Shopifyペイメント」を利用すれば、クレジットカードの手数料以外に費用はかかりません。
また、「Shopifyペイメント」以外の決済方法には様々な方法がありますが、代表的なものは「PayPal」や「Amazon Pay」「コンビニ決済(KOMOJU)」などです。
「Shopify」のデメリットとして「Shopifyペイメント」以外の決済方法を選択すると取引手数料が追加で「2.0%」かかるという点があります。この取引手数料は「WooCommerce」にはありません。
Shopifyの手数料については下記のリンクを参考にしてください。
【関連】 Shopifyで使える決済サービス比較・設定方法【Shopify Experts認定企業が解説】
WooCommerce
WooCommerceの決済方法には、クレジットカード決済、銀行振込、代金引換、各種決済サービスを選択できます。
各種決済サービスで人気の「Stripe、PayPal、Square、Amazon Pay、Apple Pay」など、140を超えるサービスを選択できる点がメリットです。決済方法に応じて「決済手数料」と「振込手数料」がかかります。
3. デザイン性
ShopifyもWooCommerceともにデザイン性に関してさまざまな選択肢があります。
Shopify
Shopifyには独自のデザインのテーマ(Webサイトのテンプレート)が有料から無料まで、合わせて180以上あります。
これらの中からテーマを選択し、さらに配色やレイアウトをカスタマイズしたり、オプションを追加することが可能です。いずれのテーマもレスポンシブ対応であるため、どのデバイスでも美しく見せることができます。
WooCommerce
WooCommerceはそれ自体がWordPressのプラグインであるため、WordPressのテーマ(有料無料それぞれにあり)を選択することでデザインを変えられます。テーマの中には、WooCommerceに特化した「WooThemes」というものもあります。
4. 機能・使いやすさ(手軽さ)
一からECサイト開設するまでの工程を比較すると、Shopifyのほうが使いやすいといえるでしょう。
Shopify
Shopifyは、簡単な手順を実行するだけで数分で初期設定が完了します。
初期設定が終われば、管理画面である「ダッシュボード」にアクセスできます。このダッシュボードのサイドバーに必要な機能がそろっており、新しいECストアの構築や商品登録、決済納品管理、在庫管理を行えます。基本的な設定を完了し公開すればECサイトの運用を始められます。
もちろんECサイト公開前にデモで運用の確認もできます。
WordPressを使い慣れている方であれば、概念が非常に似ており、同じ感覚で扱えることでしょう。
WooCommerce
WooCommerceはWordPressのプラグインであるため、あらかじめWordPressの設定が必要です。もし既存のWordPressのWebサイトがない場合には、下記の設定をします。
- ドメイン名を取得する
- サーバーにサインアップする
- WordPressをインストールする
- WordPressのテーマをインストールする
- 必要なプラグインをインストールする
- 固定ページを作成する
- メニューを作成する
このWordPressの設定の1つにWooCommerceの設定があります。ここまでの設定が終わると、商品登録、決済納品管理、在庫管理等の方法はShopifyと同様にわかりやすく簡単です。
さらにそのほかのプラグインを利用することで、機能を追加できます。
WooCommerceはオープンソースのプラットフォームとして、コードが利用可能なため、カスタマイズ性には非常に優れています。なお、WooCommerceは自らを「世界で最もカスタマイズ可能なECプラットフォーム」と呼んでいます。
ShopifyとWordPressを連携する方法
冒頭の「WooCommerceとは?」のセクションでお伝えした通り、ShopifyでもWordPressと連携できます。このセクションでは、ShopifyとWordPressの連携方法についてお伝えします。
ShopifyとWordPressを連携する方法は下記の通りですが、ここでは1〜3の設定は済んでいる前提で「購入ボタン」の作成と設置についてのみ解説します。
ShopifyとWordPressを連携する方法
- Shopifyストアの開設する
- Shopifyの管理画面で商品の登録をする
- 商品の送料と決済方法を設定する
- 「購入ボタン」を作成する
- 「購入ボタン」をWordPressに追加する
「購入ボタン」を作成する
WordPressのサイトで商品を販売するための「購入ボタン」を作成します。
Shopify管理画面の左サイドバーの「販売チャネル」横の「+」ボタンをクリック。
「販売チャネルを追加」ウィンドウの「購入ボタン」横の「+」ボタンをクリックします。
すると、管理画面左サイドバーに「Buy Button」が出現します。「購入ボタンを作成する」をクリックして先に進みましょう。
「ボタンタイプ」選択画面では、「商品購入ボタン」か「コレクション購入ボタン」のいずれかの購入ボタンの作成を選択します。 次の「カスタマイズ」画面では、購入ボタンのデザイン・機能などの詳細設定が可能です。
最後のステップの画面にて、「埋め込み用のコード」が生成されます。 「コードをコピーする」ボタンをクリックするとクリップボードに、コードがコピーされます。
「購入ボタン」をWordPressサイトに追加する
先ほどコピーした「埋め込みコード」をWordPressに貼り付ければ完了です。
WordPress上にShopifyで作成した「購入ボタン」が設置され、「購入ボタン」から実際に商品販売が可能となります。
ShopifyとWordPressの連携方法は以上です。
月額9USドルで利用できる、Shopifyのライトプラン
このようにShopifyとWordPressを連携することで、WordPressで構築したサイトで商品販売が可能となります。この場合、ShopifyでECサイト構築は行わず、管理画面のみ使用することになります。
Shopifyでは、このようにWordPressで構築されたサイト等にEC機能を実装させる人のための「Shopify Lite」プランも用意されています。
【Shopify liteの概要】
- 月額9USドルで利用できる
- Shopify管理画面の標準機能は他のプランと同様に利用可能
- SNSにショップ機能を追加できる
- Facebook Messengerで顧客とつながれる
「Shopify Lite」とその他プランとの比較等については、下記記事にて詳しく紹介しています。
【関連】 ShopifyLiteとは?Shopifyであなたにあったネットショップ開業するためのおすすめプランを徹底解説
Buy ButtonでAmazon Pay使用時の注意
「Buy Button」をwordPressサイトに設置した際、元のサイトとして参照するURLは独自ドメインを載せたURLではなく、Shopifyの管理ドメイン(xxx.myshopify.com)となります。リダイレクトURL(ドメイン)が異なるとAmazon Payは決済途中でエラー画面になってしまうため、対策が必要になります。
詳しい対策方法は以下の記事で解説しているので、ご確認ください。
【関連】Amazon PayのShopifyへの導入手順 (注意点あり)
【TIPS】WooCommerceからShopifyへの移行方法について
最後に、実はECストアをWooCommerceからShopifyへ移行する方法がありますので、簡単に解説します。
【WooCommerceからShopifyに移行する方法】
- WooCommerceからストアの「すべてのコンテンツ」をエクスポートする
- 1のデータをShopifyにインポートする
- インポートしたデータを確認し、必要であれば情報の修正、追加を行う
Shopifyにデータをインポートするときに インストールツール が必要となりますが、「WooCommerceからインポートする」専用のプラットフォームがあります。
【まとめ】Shopify vs WooCommerce 導入検討比較
本記事ではShopifyとWooCommerceの比較やメリットデメリットについてご紹介してきました。
【この記事の要点まとめ】
- Shopifyは「ホスト型プラットフォーム」であり、それ1つでECサイト構築可能
- WooCommerceは「WordPressのプラグインの1つ」
- 「機能・デザイン性」「サポート体制」「セキュリティ」ではShopifyのほうが優位といえる
- ShopifyもWordPressに連携可能
- WordPressサイトへの埋め込みのみでShopifyを使いたい場合、月額9USドルのShopify Liteがオススメ
- WooCommerceからShopifyへの移行は可能
本記事を参考に、比較検討をしてみてください。
また、外注にてShopifyサイト制作をご検討の方は、国内3社目のShopify Expertsに認定された弊社にご相談ください。
【関連】 自社ECをShopifyで制作
【関連】 【初心者向け】Shopifyの評判ってどうなの?売れるECサイトを低価格で実現できるShopifyを考察
※この記事は2020年5月時点の内容です。今後のアップデートやShopifyの仕様変更等により、記事の内容どおりに設定できない場合があります。