Shopifyを使ってECサイトを運営している中で、「最新テーマにすべきか迷っている」「そもそも今のテーマがどのバージョンなのか分からない」という声をよく耳にします。
本記事は、Shopifyテーマの変遷とバージョンごとの機能差を整理し、ストアリニューアルの適切なタイミングを見極めるためのガイドです。
特に、Debutなど旧バージョン(Online Store 1.0)テーマを使用中の方、機能制限やアプリ非対応などに課題を感じている方に向けて、「どのテーマが、何ができて、何ができないのか」をわかりやすく解説します。
Shopifyでは2〜3年に一度のバージョンアップにあわせて、ストアをアップデートしていくことが、売上向上と運用効率化の鍵となります。
1. はじめに:Shopifyテーマとは?
Shopifyテーマとは、Shopifyでオンラインストアを構築する際に利用できるデザインテンプレートのことです。専門的な知識がなくてもカラーや文章、デザイン要素などをノーコードで編集できるので、簡単にECサイトを立ち上げることができます。
テーマにはShopify公式が開発した無料テーマと、Shopifyのパートナーが開発した有料テーマがありテーマストアから購入することができます。
またテーマは2~3年周期で構造的なバージョンアップがあります。
バージョンアップではユーザー体験の向上だけでなく売上げ向上に寄与する新機能が追加されるため、古いテーマを使い続けていると、パフォーマンスや機能面で大きな機会損失を招く可能性があります。
この記事では、Vintage→Online Store2.0→テーマブロックと、これまでのShopifyテーマの辿ってきた歴史とバージョンごとの機能について解説します。
2. Vintage:Debut時代の特徴
VintageはShopifyの最初期のテーマになります。この当時は無料テーマ「Debut」を大幅にカスタマイズするか有料テーマを購入してのストア構築が主流でした。
特徴
- Shopify標準テンプレート「Debut」が多くのストアで使われていた
- セクションの追加・削除や並び替えはトップページのみ対応
- コードカスタマイズが必須な場面が多く、非エンジニアには扱いが難しい
- 商品ページやコレクションページでの柔軟な編集が不可
- テーマ間の再利用性が低い
なお、現在では「Debut」テーマは非推奨となりテーマストアからも削除されています。
3. Online Store 2.0:Dawn時代での進化
Shopifyストアの構築に携わって来た身としては、Debut時代には手の届かなかった痒いところに手が届くようになった印象です。
今や定番となったDawnやRiseはこのOnline Store2.0で構築されており、現在主流の有料テーマもほとんどがOnline Store2.0です。
Theme1.0からTheme2.0への進化で現在では必須となった様々な機能が追加されました。
主な新機能
- 全ページにセクションが追加可能(セクション・エブリウェア)
- メタフィールド機能の拡充
- 動的セクションを用いたリッチなセクションの作成
- JSONテンプレートによるテーマ構造のモジュール化
- Liquidコードの軽量化による速度最適化
- オンラインストア2.0対応アプリとの親和性が向上
実運用でのメリット
- 簡易なデザイン変更に開発者が不要に
- A/BテストやLP改善が高速で実施可能に
- ブランド価値の訴求が容易に
4. テーマブロック(Online Store 2.5相当):Horizon時代へ
Shopify Editions Summer '25で登場した新テーマ「Horizon」はテーマブロックをベースに作成された最初のテーマです。発表当初は新機能のAIブロック生成が目を引きましたが、その真骨頂はテーマの構造にあります。
カスタマイズ画面からフッターセクションの構造を見てみるとこれまでとは大きく異なります。

テーマのどこでも再利用可能かつ入れ子構造にすることができるテーマブロックをベースに構築されているため、ノーコードでのカスタマイズによる自由度はこれまでとは比べ物になりません。
Horizonの特徴
- テーマブロックベースで作成されている
- ノーコードで細かい編集が可能
- ブロックの入れ子構造によりアプリとの統合性がさらに向上
- AIによるブロック生成が可能
このように「Horizon」はとても革新的なテーマですが、「新しいお客様アカウント」のみ対応で「従来のお客様アカウント」を利用できない点は注意が必要です。
▼Horizonについてはこちらの記事から確認いただけます

新テーマHorizon、その目玉機能の一つであるAIによるブロック生成機能を実際に使って検証し、活用のメリットと今後の課題についてまとめました

新テーマHorizonの特徴と様々な優良級機能について、一つ一つ丁寧に解説しました。
5. バージョンごとの比較まとめ
機能/バージョン | Online Store 1.0(Debut) | Online Store 2.0(Dawn) | テーマブロック(Horizon) |
---|---|---|---|
セクション対応 | トップページのみ | 全ページ対応 | 全ページ+カスタマイズ性が向上 |
メタフィールド | 限定的 | 拡充・連携が可能 | 高度な連携が可能 |
AIブロック生成 | 不可 | 不可 | 可能(英語のみ) * |
ノーコード開発の難易度 | 高い | 中 | 低い |
拡張性 | 低い | 中〜高 | 高い |
*2025年8月時点での対応状況
6. ストア運営者が知っておきたい「テーマのリニューアル時期」
Shopifyテーマは2〜3年ごとに大規模アップデートが行われており、各バージョンごとにできることが大きく異なります。
なぜリニューアルが必要か?
- 集客・転換率改善に直結する機能が追加されている
- 古いテーマでは訴求力・運用効率・SEOが頭打ちになる可能性あり
- 旧テーマはアプリの対応やサポート終了のリスクあり
- 最新テーマへ移行することで、柔軟性・スピード・UXが向上
具体的な行動指針
- テーマ編集画面またはtheme.liquidから使用テーマを確認
- Dawnベースでない場合はOnline Store 2.0以降への移行を検討
- 最新テーマを使い、CXの再設計を行う
- Horizonを検討の場合はまずは触ってみる
7. まとめ:テーマ進化に合わせてEC体験を最適化しよう
Shopifyのテーマは単なるデザインテンプレートではなく、売上を左右する重要なビジネスインフラです。特に、テーマアップデートによって大幅な改善が見込める今こそ、ストアリニューアルの絶好のタイミングです。
Shopifyストアのリニューアルを検討されている方、新テーマHorizonにご興味のある方は、ぜひコマースメディアまでご相談ください!