Shopifyが半年ごとにリリースする「Shopify Editions」のSummer Editions '25が発表されました。Shopifyに新しいアップデートがあったので、この記事では重要な機能を8つピックアップして紹介します!
半年前のアップデートはこちら:【Shopify Winter Editions '25】最新機能から注目の11選!
Shopify Editionsとは?
Shopify Editionsとは、半年に一度Shopifyが最新機能や情報をアナウンスする発表のことです。Shopifyでは毎日のようにアップデートがありますが、この発表では重要な機能のアップデート及び最新機能がまとめて発表されます。
Shopifyを使われているマーチャント様は、普段使われている機能がアップデートされているかもしれませんので、是非この記事を参考にして機能を試してみてください。
Summer Editions '25 アップデート目次
- Horizon:新しいテーマデザイン
- AIによるテーマブロック生成
- より優れたエディター
- SidekickのAI推論強化
- 最小および最大注文制限
- Shopify Flow:Flow変数のサンプルデータ
- Shopify Flow:データインポート
- Shopify Flow:メタオブジェクトエントリー取得
- Shopify Flowの「HTTPリクエストを送信」でデータ返送(開発向け)
- Shopify.dev MCPサーバー(開発向け)
- ストアフロントMCP(開発向け)
Horizon:新しいテーマデザイン
【新機能の特徴】
新たに登場した「Horizon」デザイン基盤により、コンバージョン最適化を施した10種類のテーマが提供されました。これらのテーマは、AIを活用してオリジナルのテーマブロックを構築する機能を搭載しており、ブランドの個性をより自由に、そして効果的に表現できるようになっています。
【コマースメディアのフィードバック】
各テーマには、スタイリッシュで使いやすいセクションがあらかじめ組み込まれており、サイトデザインの選択肢が大幅に広がりました。さらに、HorizonテーマとAjax Cart APIを組み合わせることで、カート内でのディスカウントコードの適用が可能となり、より柔軟で効果的なマーケティングが実現しました。
Horizonを確認し、以下特徴をまとめています!:
ヘッダー
- メニュー:デスクトップ表示のとき下階層があるとhoverで開きます
- 検索/ログイン/カートアイコン:洗練された形状になります
商品カード
- メディア:商品写真が複数枚あるとカルーセルで4枚の写真が見られます
- クイック追加機能:あります
-
色見本の表示:色見本をクリックで商品のカラバリ画像を表示切り替えできます
色見本の設定方法は従来のimpulseやprestigeなどの有料テーマと少し異なり、以下の3つのステップが必要になります
Step 1: メタフィールドの設定
- Shopify管理画面から設定→カスタムデータ→商品へ
- 「定義を追加する」から「色」の標準定義を選択 - カテゴリーの割り当てを確認・設定
- 対象商品のカテゴリーが含まれていることを確認
Step 2: 商品の設定
- カテゴリーに商品設定画面でStep1と同じカテゴリーを設定
- カテゴリーメタフィールドに商品に追加したい色を全て設定
- バリエーションの「サイズや色などのオプションを追加」から色を選択
- 設定完了後、商品ページと商品カードに色見本が表示される
検索モーダル
- 最近閲覧した商品の表示が可能
セクション
- ヒーロー:マーキー(右から左に文字が流れる)
- マーキー(右から左に文字が流れる)
- 商品リスト:カルーセル
コレクション
- グリッドレイアウト制御が可能です
AIによるテーマブロック生成
【新機能の特徴】
キーワードを入力するだけで、AIがオリジナルのテーマブロックを自動生成できるようになりました。これにより、デザインの自由度が大幅に向上し、ブランドの個性をより効果的に表現できるようになっています。
【コマースメディアのフィードバック】
現在、AIによるオリジナルテーマブロックの作成は、ストアのデフォルト言語が英語に設定されている場合にのみ利用可能です。しかし、ShopifyはAI機能の進化が著しく、今後は日本語を含む多言語対応が進むと期待されます。私たちも、これらのAI技術と豊富な経験を活かし、クライアント様にとって最適なサイト構築を目指していきます。

新テーマHorizon、その目玉機能の一つであるAIによるブロック生成機能を実際に使って検証し、活用のメリットと今後の課題についてまとめました
より優れたエディター
【新機能の特徴】
テーマエディターがより直感的に操作できるようにアップデートされています。
【コマースメディアのフィードバック】
各ブロックの上にカーソルを合わせると実際の表示をリアルタイムで確認、多数のブロックやセクションを効率よく管理、ブロックとセクションのコピー&ペーストなど、細かなアップデートはテーマエディタを頻繁に使用される方にとって、作業のスピードと精度を向上させる大きなメリットとなるでしょう。
- ブロックピッカーでのホバープレビュー
- ブロックとセクションのカテゴリー
- AI block generation
- ワンクリックでテキスト編集
- 条件設定に対応したシンプルなサイドバー
- デフォルトでセクションを折りたたんで表示
- すべてのショートカットを右クリックで表示
- ブロックとセクションの名前をカスタマイズ
- ブロックとセクションのコピー&ペースト
- よりリッチな予測検索
- よりインタラクティブな商品カード
- カートでのクーポンコード入力 など!!
参考動画はこちら(英語):https://www.youtube.com/watch?v=Y0nLZ3m5ldY
SidekickのAI推論強化
【新機能の特徴】
AIアシスタント「Sidekick」がアップデートされました。こちらは、Shopifyストアのデータを活用し、日常業務を効率化する強力なツールです。商品説明の作成や顧客セグメントの管理、画像生成など、多岐にわたる業務をサポートします。例えば、自然言語で「新商品の紹介文を作成して」と入力するだけで、プロフェッショナルな商品説明を瞬時に生成できます。また、顧客データをもとにターゲットセグメントを自動で作成し、マーケティング施策の効果を最大化します。
【コマースメディアのフィードバック】
これまで手動で行っていた業務が、AIアシスタント「Sidekick」によって自動化され、時間と労力の大幅な削減が可能となりました。Sidekickは、ストアの「ChatGPT」のような機能を備えており、サイト分析や顧客セグメントの作成、商品説明の生成など、多岐にわたる業務をサポートします。例えば、売上低下の原因を分析し、改善策を提案するなど、マルチステップ推論機能を活用した高度な分析が可能です。さらに、画像生成機能により、プロフェッショナルな商品画像を直接作成できるようになり、ビジュアルコンテンツの制作が手軽になりました。これらの機能を活用しながら、今後は販売施策やストアの改善点をSidekickと共に運営していく予定です。
最小および最大注文制限
【新機能の特徴】
Shopifyの無料アプリ「Checkout Blocks」を活用すると、すべてのお客様またはB2Bのお客様に対して、最低注文金額や最高注文金額の要件を設定できます。これにより、特定の条件を満たすお客様にのみ特典を提供したり、注文制限を設けることで、販売戦略を柔軟に調整することが可能となります。
【コマースメディアのフィードバック】
これまでは、購入金額に関する制限を設定するには、テーマのカスタマイズが必要でした。また、Plusプラン以外のストアでは、チェックアウトページでの制御ができませんでした。しかし、Shopifyの無料アプリ「Checkout Blocks」の登場により、すべてのプランのストアで、サンキューページや注文追跡ページのカスタマイズが可能となりました。さらに、Plusプランのストアでは、チェックアウトページの拡張も可能となり、サイト全体での購入金額の制御が実現しました。
Shopify Flowのアップデート
新機能①:Flow変数のサンプルデータ
【新機能の特徴】
Shopify Flowにおいて、「For each」ループがより柔軟になり、ネストされたループや各ループ内での複数のアクションが許可されるようになりました。
【コマースメディアのフィードバック】
今まで「For each」のループ内で複数のアクションの実行が不可能でしたのでアップデートがありました。例えば、複数の顧客に対してメールを送り、さらにタグを付与するといったケースの場合、以前までは「For each」を2回行うことで実現させていました。
新機能②:より多くのプラットフォームからのデータインポートに対応
【新機能の特徴】
Shopify Flowでは、詳細なステップデータと14日間保持されるログにより、トラブルシューティングが改善されました。注文IDやタグによる検索も可能です。
【コマースメディアのフィードバック】
実行ログの検索で注文IDで検索できるようになり、例えば、注文作成時に実行されたFlowがあった場合、後から特定の注文に対して実行されたFlowを調べることが簡単になりました。
新機能③:Shopify Flowでのメタオブジェクトエントリー取得
【新機能の特徴】
新しいShopify Flowのアクションにより、メタオブジェクトの単一または複数のエントリーを簡単に取得できます。
【コマースメディアのフィードバック】
弊社でよくメタオブジェクトを使用しているため、良いアップデートかと思います!
Shopify Flowの「HTTPリクエストを送信」でデータ返送(開発向け)
【新機能の特徴】
「HTTPリクエストを送信」アクションが、Shopify Flowで使用するデータの返送に対応しました。また、APIキーなどのシークレットを安全に保存して使用することもできます。
【コマースメディアのフィードバック】
HTTPリクエストの送信が可能になるため外部APIとの連携なども、カスタムアプリを作成するより低コストで行えるようになりました。
Shopify.dev MCPサーバー(開発向け)
【新機能の特徴】
お好みのコーディング環境で、GraphQL、Functions、Polarisウェブコンポーネントに関するAIサポートをご利用いただけます。
【コマースメディアのフィードバック】
Cursorなどのエディタで、Shopify.dev MCPサーバーを設定することで、AIチャットがShopifyのドキュメントを自動で読み開発をサポートしてくれます。GraphQLやPolarisなどのコーディングをサポートしてくれるので開発効率が大幅に向上すると思われます。
ストアフロントMCP(開発向け)
【新機能の特徴】
個別のストア向けに、商品の検索、ブランドに関する質問への回答、カートの作成、チェックアウトの開始が可能なAIショッピングエージェントを構築できるようになりました。
【コマースメディアのフィードバック】
それぞれのストア専用のAIショッピングエージェントの構築が可能になりました。
このエージェントは各ストアの商品の検索、ブランドへの質問のほかに顧客のカート情報の変更やチェックアウトの開始まで対応しているようです。
まとめ
今使われている機能で新しく試してみたいことや、使ってみたい機能はありましたでしょうか?アップデートが非常に多く、本記事でカバーしていない機能もたくさんありますので、その他のアップデートに関してはShopify Editionページをご確認ください(Shopify Editions ページ)。
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