(2020年12月09日更新)
「Shopifyでサイトを作成したが、アクセス解析の方法がわからない」
「CVやeコマースデータのトラッキングをしたいが、やり方がわからない」
「ShopifyへのGoogleアナリティクスの設定方法について知りたい」
本記事はこのようなお悩みをもつ方のための記事です。ECサイト運営者にとって、サイト上でのユーザー情報は必要不可欠。データを元にPDCAを回してこそ、売上アップにつながるといえるでしょう。
そこでこの記事では、下記のようなポイントで解説をしていきます。
この記事のポイント
- ShopifyのGoogleアナリティクス設定方法がキャプチャ画像とともにわかる
- ShopifyのGoogle Search Console設定方法がキャプチャ画像とともにわかる
- eコマーストラッキングの設定もわかる
- Shopifyのプランアップグレードによる独自の解析についてもわかる
ShopifyのGoogleアナリティクスの設定方法
Googleアナリティクスは、Googleが提供する無料の分析、解析ツールです。ShopifyでGoogleアナリティクスを設定することで、サイト内でのユーザーデータを元にPDCAを回し、より効果的なサイトに成長させることができます。
キャプチャ画像とともに、一つひとつ手順を追ってご説明しましょう。
【2020年12月9日追記】新規のアカウント発行の場合GA4の作成に注意
2020年10月14日にGoogleアナリティクスの大幅なアップデートが発表され、「Google Analytics 4 properties」(以下、GA4)という新しい形になりました。
しかし、2020年12月現在ではShopifyはGA4との連携に対応していないため、従来型のユニバーサルアナリティクス(以下、UA)にて連携する必要があります。アカウントの発行方法としては「新型のGA4と従来型UAを両方発行」するか、「従来型UAのみ発行」の2パターンあります。今後ShopifyがGA4に対応する可能性は高いので、新型と従来型2つのアカウントの発行方法をお勧めします。
それでは手順を説明していきます。
プロパティの作成
まずGoogleアナリティクス画面で[管理] > [プロパティ設定]と進み、[新しいプロパティの作成]を選択します。
プロパティの作成画面でプロパティ名の記載をし、[詳細オプションの表示]をクリックします。UAプロパティの設定ボタンをONにし、GA4とUAの2つのプロパティ作成か、UAプロパティの作成かを選びます。
次にビジネス情報のアンケートに答え、特に問題が無ければ[作成]をクリックします。
UAコードの確認
アカウントが作成されたら、[データストリーム]に移行されるので、UAコードを作成したURLの欄をクリックします。
[ウェブストリーム]画面に移動できれば、[接続済みのサイトタグ]からUAコードが生成されているか作成します。
アカウント欄にもGA4とUAが両方登録されている事が確認出れば発行完了です。
※GA4とUA両方の発行した場合のみ
こちらが従来型のUAコードを発行する方法になりますので、これからShopifyとGoogleアナリティクスの連携方法の解説をいたします。
1. Googleアナリティクス画面からトラッキングコードを取得する
まずはGoogleアナリティクス画面でトラッキングコードを取得しましょう。
[管理] > [プロパティ設定] と進み、上図のトラッキングコードをコピーしておきましょう。
2. Shopify管理画面から [オンラインストア] をクリック
次に、Shopify管理画面へ移り、管理画面サイドバーの [オンラインストア] をクリックしてください。
3. [オンラインストア] > [各種設定](Preferences)をクリック
[オンラインストア] > [各種設定](Preferences)をクリックし、Googleアナリティクスの設定ができるページに遷移します。
4. Googleアナリティクスのトラッキングコードをペースト
上図の、Googleアナリティクスのコード貼り付けスペースに、先ほど取得したトラッキングコードを貼り付けます。最後にページ最下部にある [保存] ボタンをクリック。
以上で、Googleアナリティクスの設定は完了です。
eコマーストラッキングを設定する方法
前のセクションでは、Googleアナリティクスの設定についてお伝えしました。ShopifyでECをするならぜひとも設定しておきたい「eコマーストラッキング」についてお伝えします。
eコマーストラッキングとはGoogleアナリティクス上で、「購入された商品」や「購入数」「収益」などのデータをトラッキングすることです。
このようなデータを取得することで、データドリブンな意思決定を行うことができます。
前セクションのGoogleアナリティクスの設定が完了していれば、こちらも簡単に設定可能ですので、ぜひ設定しておきましょう。
1. Googleアナリティクスの [管理] > [eコマースの設定]をクリック
Googleアナリティクスの画面の右下にある歯車マーク(管理)をクリックし、管理画面の中にある [eコマースの設定] をクリック。eコマースの設定画面を表示させます。
2. eコマースの有効化をオンにする
eコマースの設定画面で、 [eコマースの有効化] と [拡張eコマースのレポートを有効化] を「オン」にします。
拡張eコマースを使用することで、ECサイトの商品とユーザーとの接点に関する、より細かいデータ測定が可能となります。
- 商品のインプレッション
- 商品のクリック
- 商品情報の表示
- ショッピングカートへの商品の追加
- 決済プロセスの開始
- トランザクション
- 払い戻し
など。一般のECシステムだと開発が大変ですが、Shopifyでは以下のように簡単に設定できるのです。
3. 拡張eコマースのチェックボックスにチェックを入れる
Shopify管理画面eコマースの設定画面に移ります。先ほどGoogleアナリティクスのコードを貼り付けたところに「拡張Eコマースを使用します」のチェックボックスが出現しているので、チェックを入れます。最後にページ最下部にある [保存] ボタンをクリック。
これでeコマーストラッキングの設定は完了です。
Shopifyの設定で、優れている機能のひとつがこのeコマース設定がとても簡単であるということです。
一般的なシステムでは改修がかなり必要になるのですが、Shopifyではチェックボックスを入れるだけで済みます。
Googleアナリティクスの [eコマース] にて下記のデータを見られるようになります。
- eコマースのコンバージョン率
- トランザクション数
- 収益
- 平均注文額
- 固有の購入数
- 数量
【ワンポイントアドバイス】通貨設定も変更しましょう
eコマーストラッキングの設定のついでに、「通貨設定」も一緒に変更しておくことをオススメします。Googleアナリティクスではデフォルトの通貨設定が「米ドル(USD $)」になっています。上図のように、「ビューの設定」画面から通貨を「日本円(JPY 円)」に変更しておきましょう。
ShopifyでGoogle Search Consoleを設定する方法
Google Search ConsoleもGoogleアナリティクス同様に、Googleが提供するツールで、主に検索結果に関連するデータやパフォーマンスを分析できます。
こちらも非常に重要なデータを分析できるツールなので、設定をしておきたいところ。
キャプチャ画像とともに、一つひとつ手順を追ってご説明しましょう。
【設定方法1】最も簡単なGoogle Search Consoleの設定方法
Googleアナリティクスのアカウント権限で「編集権限」以上を持っていると、簡単にGoogle Search Consoleを設定できます。設定画面で、URLを入力するだけで実装できるのです。
Google Search Console画面の [ プロパティを追加 ] をクリックします。
URLプレフィックスに、WebサイトのURLを入力します。Googleアナリティクスのアカウント権限で「編集権限」以上を持っていれば、これで設定完了です。
権限があれば、この方法がもっとも楽な方法ですのでこちらを試してみましょう。
【設定方法2】HTMLタグを使用するGoogle Search Consoleの設定方法
1. Google Search ConsoleでHTMLタグを取得
まず、後の手順で使用する、Google Search ConsoleのHTMLタグを取得しておきましょう。
2. Shopify管理画面から [オンラインストア] > [テーマ](Themes)を選択
Shopify管理画面のサイドバーの [オンラインストア] > [テーマ] をクリックし、テーマ画面を開いてください。
3. [アクション](Action)から [コードを編集する](Edit Code)を選択
現在のテーマの [アクション] > [コードを編集する] をクリックし、コード編集画面を開きます。
4. [theme.liquid] を選択
ファイル編集スペースの左サイドバーの [theme.liquid] を選択し、コード編集の準備をします。
5. <head> ~ <head>タグ内に、取得したSearch ConsoleのHTMLタグを貼り付ける
上図のように、[theme.liquid] のコード編集スペースに現れる<head> ~ <head>タグ内に、取得したSearch ConsoleのHTMLタグを貼り付けます。最後にページ右上にある [保存] ボタンをクリック。
以上で、Google Search Consoleの設定は終了です。 最後に、GoogleアナリティクスとGoogle Search Consoleの連携の方法についてお伝えします。
6. GoogleアナリティクスとGoogle Search Consoleの連携方法
Googleアナリティクスの画面から、 [設定] > [プロパティ設定] から [Search Consoleを調整] をクリックし、連携させましょう。連携することで、Google Search ConsoleのデータがGoogleアナリティクスにインポートされ、Googleアナリティクスのレポートに追加されます。
サイトマップの送信方法
Shopifyストアを立ち上げた時に、初期で対応しておきたいのが「サイトマップの登録」。サイトマップを送信することで、GoogleがShopifyストア上のページを見つけてインデックスするのを助けます。
Shopifyストアでは、sitemap.xmlファイルが自動的に生成されます。(サイトマップファイルは、Shopifyストアのプライマリードメイン名のルートディレクトリーにあります)
サイトマップの送信
上図のように、Google Search Consoleの [ サイトマップ ] 画面にて、 [ サイト名 + sitemap.xml ] と入力し、送信ボタンをクリック。
GoogleアナリティクスとGoogle Search Consoleの違い
「GoogleアナリティクスとGoogle Search Consoleで見られるデータの違いが、実はイマイチ分かっていない」
そんな方のために、このセクションではそれぞれのツールの違いについて簡単にご説明します。両ツールともに、Webサイトを活用・運営する上では必須のツールといえます。ぜひここで確認してみてください。
Googleアナリティクス
先ほど導入方法のところでもご紹介した通り、Googleアナリティクスは、Googleが提供する無料の分析、解析ツールです。
ShopifyでGoogleアナリティクスを設定することで、サイト内でのユーザーデータを元にPDCAを回し、より効果的なサイトに成長させることができます。
Google Analyticsを活用することで、以下のような分析ができます。
- ユーザー
- 集客経路
- アクセスページ
ユーザー
アクセスしたユーザーの年齢や性別、地域(国や都道府県・市区町村)やデバイスなどの分析ができます。
集客経路
アクセスしたユーザーの集客経路が分析できます。検索エンジン経由、ソーシャル経由、広告経由など。さらにパラメータの設定などを行うことで、より細かい分析が可能です。
アクセスページ
ユーザーがアクセスしたページを把握できます。アクセス数や滞在時間・離脱状況などがわかります。
また設定を行えばコンバージョン数も計測できるので、ユーザー・集客経路・アクセスページデータと組み合わせて分析可能。リスティング広告やSEOの効果測定に役立ちます。
Google Search Console
Google Search Consoleは先述の通り、主に検索結果に関連するデータやパフォーマンスを分析できるツールです。
Google Search ConsoleにサイトのURLやサイトマップを登録することで、検索エンジンとの連携を行うことができます。Google Search Consoleにより、サイトのアクセスにつながる「過程」が分析可能。サイトの検索結果の状況とそれに付随する以下の情報を把握できます。
- サイトの改善案
- 被リンク数
- キーワード
- Googleが認識しているページ数
- Googleクローラーの情報収集状況
さらにGoogle Search Consoleは、Googleに対して以下のようなアクションが実施できます。
- Googleクローラーをサイトに呼び寄せる(旧Fetch As Google)
- サイトマップの送信
- 検索結果から任意のURLを非表示にする
こうしたアクションにより、サイトの集客効果を早めたり、アクセス数減少の改善につながります。
まとめると、Google AnalyticsはWebページに到着してから離脱するまでの、ユーザーの動きを分析できるツールです。
それに対しGoogle Search Consoleは、ユーザーにGoogleで検索されてからWebページに到着するまでの動きを分析できるツールになります。
つまりGoogle AnalyticsとGoogle Search Consoleの両方を活用することで、ユーザーのWeb上の動き全体を把握することが可能となります。
Shopifyのプランアップグレードで独自のアクセス解析が可能
ここまでGoogleアナリティクスや、Google Search Consoleの設定方法について解説してきました。実はShopifyにも「ストア分析」という名前のアクセス解析ページが管理画面にあります。
Shopifyには「ライト・ベーシック・Shopify・プレミアム・Shopify Plus」の5つのプランがあり、プランによってShopifyでのアクセス解析できる内容が変わります。ベーシックプランからほとんどのアクセス解析が可能です。さらにプランをアップグレードすることで、より細かい分析がShopify上で可能となります。
Shopifyのプランとアクセス解析一覧表
ライト | ベーシック | Shopify | プレミアム | Shopify Plus | |
---|---|---|---|---|---|
ダッシュボードの概要 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
財務レポート | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ライブビュー | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
集客レポート | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
在庫レポート | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
行動レポート | - | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
マーケティング レポート |
- | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
販売レポート | - | - | △ | △ | ◯ |
POS販売レポート | - | - | ◯ | ◯ | ◯ |
利益レポート | - | - | ◯ | ◯ | ◯ |
顧客レポート | - | - | △ | ◯ | ◯ |
カスタムレポート | - | - | - | ◯ | ◯ |
以下で、ベーシックプラン以上でアクセス解析ができるものについて説明します。
ライブビュー
ライブビューでは、ストアのアクティビティをリアルタイムで表示できます。
ストアのアクティビティがどこから来ているかを示す世界地図と、リアルタイムのアクティビティを見られる指標が表示されます。
集客レポート
ストア訪問者の集客に関するレポートにアクセスできます。下記のようなデータを見ることができます。
- 時間の経過によるセッション
- 参照元によるセッション
- ロケーションによるセッション
在庫レポート
在庫に関するレポートにアクセスできます。在庫レポートを使用して、在庫に関する「月末の在庫スナップショット」を表示し、一日に販売された在庫の数量と割合を追跡可能です。
行動レポート
ユーザーの行動に関するレポートにアクセスできます。スタンダードプラン以上であれば、「ウェブサイトカート分析レポート」にアクセス可能。行動レポートのデータを使用して、ユーザーが商品をより探しやすいようにストアを整理できるでしょう。
マーケティングレポート
マーケティングレポートは、マーケティングの効果性やコンバージョンについて理解するのに役立つレポートです。このレポートでは、マーケティングチャネルごとのユーザー数、注文金額などを表示できます。
販売レポート
販売レポートを使用すると、お客様の注文に関する情報を表示できます。返品やキャンセル、入金に関しても確認できます。
POS販売レポート
POS販売レポートを使用すると、ユーザーのPOS注文に関する情報を表示できます。
利益レポート
利益レポートでは費用、マージン、利益に関する情報を表示できます。商品別に、選択した期間の売上総利益などを見ることができます。
顧客レポート
顧客に関して下記のような詳細なレポートにアクセスできます。
- 時間の経過によるお客様数の変化
- 初めてのお客様とリピーターの販売の比較
- ロケーション別のお客様
- リピーター
- 一度限り訪問したお客様
さらにプレミアムプラン以上であれば、下記のレポートにもアクセスできます。
- リスクのあるお客様
- ロイヤルカスタマー
このようにShopify管理画面上でもさまざまなデータレポートが見られるのです。
【まとめ】Shopifyで正しくデータ計測するために
本記事では、ShopifyへのGoogleアナリティクス・Search Consoleの導入について知りたい方向けに、情報をご提供してきました。
本記事の要点をまとめると、下記の通りです。
- ShopifyにおけるGoogleアナリティクスの設定はとても簡単
- Shopify管理画面上でも、アクセス解析の独自ツールの運用が可能
- 得られたデータから、ECサイトのPDCAを高速で回すことが売上貢献の鍵
今回ご紹介したShopifyへのGoogleアナリティクス・Search Consoleの導入・設定によって、売上をさらに高められるECサイトを作り上げてください。
※この記事は2020年1月時点の内容です。今後のアップデートやShopifyの仕様変更等により、記事の内容どおりに設定ができない場合があります。