EC事業で売上を拡大させようと思ったときに、多くの企業が楽天市場への出店を検討されます。しかし、売上アップのノウハウが自社にないことや、売上に合わせて体制を整えられないこともあり、コンサルティング会社や運営代行会社に相談をされるケースが非常に多くあります。
本記事では一般的なコンサルティングサービスや、運営代行の解説をし、コマースメディアの事例やサービス内容を紹介いたします。
楽天市場のコンサルティング、運営代行とは
楽天市場のコンサルティングサービスはEC・通販のコンサルティングサービスの楽天市場に関する内容を切り取ったサービスです。サービスを提供する企業によってかなり内容が異なりますが、「楽天市場で売上や利益を上げる」コンサルティングがほとんどです。
そのため、商品の企画や購入までの導線設計、楽天市場内SEO、広告活用などを用いて「売上や利益を上げる提案をするサービス」というのが一般的な意味となります。
加えて、支援しているEC・通販企業の売上規模が大きくなると運営の人手が足りなくなるため、コンサルティング会社によっては運営代行のメニューも用意されている場合もあります。
運営代行業務の「運営」という言葉は主にサイトの表側(フロント面)を指す事が多く、サイトの更新や商品ページ登録、バナーや画像の作成、お買い物マラソンや楽天SUPERセールなどのセール時の企画ページの作成・更新などが主な業務となります。
ただ、売上規模がまだ小さい場合、依頼側の支払える費用と運営代行の費用が嚙み合わない事が多く、最初はコンサルティングを受けながら自社で作業するケースが多くあります。
元から楽天市場で売上が大きい場合や、大手企業の楽天市場進出の場合は、予算の確保ができるため、最初からコンサルティングとセットで運営代行を依頼される事もあります。
ECC(イーコマースコンサルタント)との違い
楽天市場に出店すると基本的にECC(イーコマースコンサルタント)という楽天社員の担当者がつきます。このECCの役割としては担当店舗の売上を上げることとなっていますが、広告の販売営業も兼ねているため、一般的には広告営業担当という認識になっています。またRMSの操作サポートは別窓口となっているため、ECCへRMSの操作法を質問をしても基本的にサポートへの誘導されるだけとなります。
ECCにもよりますが、ECCは1社だけではなく100社以上同時に担当しているケースもあるので、1社あたりのサポート時間が短い場合があります。
このECCとコンサルティング企業の違いとしては、より具体的な提案や密接なサポートができることが挙げられます。
例えばコンサルティングサービスでは、お買い物マラソンや楽天スーパーSALEなどのセール時に広告の提案だけでなく、「店舗独自のキャンペーン企画やキャンペーン用のページの提案」、「キャンペーンに合わせた広告の選定」、「キャンペーン後の詳細な振り返り」といったようにより細かなサポートなどが可能となっております。
また、運営代行も提供しているコンサルティング企業であれば、ページ制作や広告の運用など付随サービスの提供も可能なので、施策の考案から実行、分析までお願いすることができます。
楽天市場のコンサルティングサービス
企業によって様々な支援の形がありますが、楽天市場のコンサルティングサービスはチャットサポート型、広告運用特化型、顧問型、単月型、総合支援型の5つに大きく分かれます。ここではこれらの特徴を説明いたします。
チャットサポート型
コンサルティング企業の中でチャットやメールでの相談をサービス化している事があります。チャットやメールでの質問に対して返答するサービスとなりますので、何をすればいいのか提案をしてもらう形ではなく、何かしたいときにアドバイスをもらうような形になります。
例えばお買いものマラソンや楽天スーパーセールで広告枠を購入する時にどういった広告を購入すれば良いか相談したり、自分たちの考えた企画に対するブラッシュアップ案や貰いたい時などに活用するイメージです。
■おすすめの企業
自社で楽天市場の施策は回しているが第3者の意見がほしい企業
トレンドや新しい機能の活用法を早く知りたい企業
他社事例のデータがほしい企業
広告運用特化
広告運用に特化しているコンサルティング企業の場合、広告施策の提案が主となります。提案だけでなく運用も委託できる企業がほとんどなので、楽天市場での広告代理店のようなイメージです。
一般的なWEB広告代理店との違いは、楽天市場の仕組みを熟知している事です。楽天市場では、お買い物マラソンや楽天SUPERセールなどの楽天市場主体のイベントや、シーズナルの特集に沿って広告枠の確保や露出の強化が求められるので、初心者にはハードルが高くなってしまいます。
加えて、広告によっては掲載条件が定められているものもあり、その条件をしっかり把握していないと広告を購入しても掲載できないこともあります。そういったこともあり、「楽天SUPERセールに予算100万円で広告を出す」といった内容でも様々な検討要因が存在するのです。
楽天市場の広告は常に様々な部分がアップデートされていくため、常に最適な広告運用を行いたい企業や、自社の企画に合わせた広告施策を提案してほしい企業などにおすすめのタイプとなります。
■おすすめの企業
楽天の広告ノウハウがない企業
広告運用のリソースが足りない企業
広告のPDCAを早く回したい企業
自社の企画やリピーター育成に注力したい企業
顧問型
顧問型のコンサルティングはEC・通販企業の目標に沿って何をいつまでに行わなければいけないかを整理し実行管理を行うサービスです。外部顧問のような立ち位置になるため実際に手を動かすようなサポートは基本的にはありません。
- 現実的な目標売上の設定
- 市場で勝てる商品の企画
- 目標に対して必要な販促予算の算出
- 年間の販促スケジュールの作成
- 実行すべきタスクの洗い出し
上記のように目標の設定部分から、目標に対してのギャップを把握して何をするべきかを明らかにしてくれるので、何からしていいか分からないという楽天市場にまだ慣れていない企業におすすめです。
■おすすめの企業
・楽天市場に出店したものの何をしていいかわからない企業
・現実的な目標や販促予算の設定が分からない企業
・EC部署のマネージャーが不在で採用の目途のない企業
単月型
単月型のコンサルティングでは主に前年と比較し店舗の状態に異常が無いか、異常がある場合は原因と改善策はどうするべきかなど提案が行われます。前年比ではなく、月間の目標に対しての分析や提案などにサービス内容を調整することもできるので、月区切りでのコンサルティングサービスというイメージです。
店舗の状態は主にアクセス・転換率・客単価によって診断され、この指標のどれかが前年や目標を下回っている場合、その原因の特定と改善施策の提案が行われます。楽天市場内の様々な外部要因、内部要因によって数値が変動するため、分析に時間がかかる上、中には解明できないこともあるので、分析ノウハウがない企業や分析に時間をさけない企業におすすめです。
ある程度、楽天市場の売上シェアをとっていて別の販路に注力したい企業や、健康食品など季節によってニーズの波動が少ない商材を扱う企業にもマッチするサービスかと思います。
■おすすめの企業
・現在の楽天市場の売上を守りつつ他の販路に注力したい企業
・第三者の視点でのアドバイスや情報がほしい企業
・季節波動の少ない単品リピート系商材
総合支援型
最後に総合支援型の説明となりますが、こちらは今までご説明してきたサービスをかけ合わせたようなサービスとなります。業務範囲が多岐にわたるため、委託企業のEC事業に深く入り込む必要があり、店舗側からも密接にコミニケーションをとって情報共有の努力をしなければいけません。
また、総合支援型では運営代行も一緒に依頼できることが多いので、施策の検討~実行までを外部のリソースを使ってできるサービスとなります。
楽天市場運営代行企業サービスの種類
前述でもお伝えした通り、EC・通販企業の売り上げフェーズが上がることによって、業務量が増え、コンサルティングだけでなく運営の委託もしたいというニーズが出てきます。
運営代行は労働集約型のサービスなので、委託するにはプロの人件費分の費用が必要となるため、予算が少ないうちは依頼が難しかったり、ごく一部の委託になることがあります。
※商材や単価、企業規模によって異なるので、あくまでイメージになります。
運営代行サービスも企業によって対応範囲やサービス内容が異なるので一緒くたにできませんが、一般的な業務範囲について解説いたします。
楽天市場、運営代行企業に委託できる業務
楽天市場の運営代行企業に委託できるのは主にサイトのフロント業務の登録や更新となります。フロント業務で一般的に委託できる範囲を下記に記載いたします。
- 商品ページ登録(画像作成、登録作業)
- 商品ページ更新(商品名、商品画像など)
- 店舗TOP更新
- カテゴリーページ作成、更新
- 企画ページ(GOLD)作成、更新
- バナー作成
- クーポン発行
- ポイント設定
- イベント更新作業
- エントリー作業(SUPERセールサーチなど)
- メルマガ作成
- etc…
上記の通り、商品ページやカテゴリーページなどの登録と更新、クーポンやポイントなどのキャンペーン設定の委託が可能です。そのため、商品ページの作成や店舗ページの更新といった通常の運営業務に加え、お買い物マラソンなどのイベントのタイミングでイベント専用商品ページに変更することや、イベント専用の企画ページ公開などが自社で作業せずに実行することができます。
楽天市場では多いときは月に3回以上イベントが開催されることもありますが、運営代行企業に依頼することで自社の人員確保の必要がほぼなくなります。
ただ、運営代行企業も人的リソースを活用してサポートを行うので無尽蔵に依頼することはできません。多くの運営代行企業がごとに依頼の上限を設けていたり、1つの依頼が完了するまで次の依頼を受けないなどのルールを定めております。
また、急ぎの依頼は人員の確保が難しいこともありますので、余裕を持ったスケジュールで依頼をすることがオススメです。
運営代行企業ごとの特徴
運営代行企業によってはフロント業務だけではなくカスタマーサポートや物流などのバックヤード業務の委託が可能であったりと、様々な特徴があります。ここでがその中でもよくある内容を解説いたします。
商品撮影
商品のサンプル提供をすることで商品ページに利用する画像素材の撮影を委託できます。物撮りやイメージカット、モデル撮影など企業の設備によって撮影できる内容は異なってきます。料金形態は月額の費用に含める場合や、1カットあたりの別料金など企業によって異なります。
広告の運用
コンサルティングサービスでもご紹介しましたが、運営代行サービスでも運用型広告の設定や更新、広告用の画像作成など広告に関する様々な業務を委託できる場合があります。費用に関しては、運営代行費用とは別途で広告費の10%〜20%程度となることが多いです。
在庫管理
楽天市場ではイベントに合わせて在庫を調整していく必要があります。必要な在庫数の予測や発注入庫の管理などを委託可能です。
物流
運営代行企業によっては物流倉庫の運営もしており、商品の保管・発送などが委託できる場合があります。また、外部の物流企業と提携をしてその提携先倉庫で物流を管理するパターンもあります。
どちらの場合でも指定の倉庫への納品が必要となるため、もともと在庫を自社倉庫で管理している企業は在庫を分断して管理する必要があり、OMS(オーダーマネジメントシステム・一元管理)やWMS(倉庫管理システム)が限定されることもあります。
カスタマーサポート
問い合わせやクレームなどお客様窓口となる業務を委託することができます。他にも楽天市場ではレビューに対して返答ができるため低レビューに対する返答や必要な対応も委託できる場合があります。
CMのコンサルティング、運営代行サービス内容
コマースメディアの楽天市場コンサルティングは総合支援型のコンサルティングサービスとなっており、運営代行の受託も可能となっております。
運営代行では通常のフロント業務に加えて提携先倉庫での物流業務や、物流全体の管理。在庫管理やカスタマーサポート、専用機材を使った商品撮影(物撮りのみ)も委託可能となっております。
CMのコンサルティング事例
お客様によっては必要なサポート範囲が異なるため、コマースメディアでは対応範囲を調整して必要なサービスのみ提供することも可能となっております。いくつか事例を踏まえて参考例を記載いたします。
お客様事例①
支援内容:コンサルティング、運営代行、広告運営、カスタマーサポート、物流管理
商品登録やイベント企画の提案や実行、広告の管理・運営を行い、バックヤード部分では物流マネジメントや在庫管理なども支援しております。加えて、カスタマーサポートもご依頼頂いており、お問い合わせの返答や低レビューへの対応なども弊社で対応させていただいております。
商材の特性上、季節ごとの波動が大きいため、それに合わせた商品の企画や広告の確保・運営を行い売り上げの最大化を図りつつ、事故の無い運営をサポートしております。
お客様事例②
支援内容:コンサルティング、商品ページ制作
コンサルティングに加えて、新商品が出る際に素材をご提供いただき商品ページの制作をご依頼頂いております。コンサルティングではメールや電話でのコミュニケーションに加えて定例でミーティングを行い、店舗の健康状態を管理しています。
お客様事例②
支援内容:全て
年間の利益目標を設定いただき、ECにかかわる業務をほぼ全てご依頼いただいております。お客には製造の管理やブランディングなどのメーカーとして注力すべき業務に集中していただいております。
お客様事例④
支援内容:コンサルティング、広告運用
商品数が少なく季節による波動がすくない商材のメーカー様で、コンサルティングと広告運用をご依頼頂いております。楽天市場のイベントに合わせた施策の提案、広告の確保と運用。目標に対しての振り返りミーティングを定期的に行っております。
お客様事例⑤
支援内容:コンサルティング、運営代行(一部)、広告運用
商品数の多い小売店様で、コンサルティングとイベント対応、広告の運営をご依頼いただいてます。商品登録はお客様のシステムで自動で行われるため、イベント時の商品ページの設定や専用企画ページの作成・更新を行ってます。広告費を売上のパーセントで指定いただいており、広告費のバランスを調整し売上の最大化を目指しております。
コンサルティング、運営代行サービスの料金感
一般的な相場としては、コンサルティングサービスでは月額20万〜50万円ほどですが、委託内容によって変動することもあります。
運営代行では固定費で20万〜50万円+成果報酬の費用形態が一般的です。固定費と成果報酬の料金を調整して必要な人件費を請求するため、売上規模が大きい場合は固定費を大きく設定し、成果報酬の割合を下げたり成果報酬を無くしたりすることもあります
▽一般的な相場金額
コンサルティング:20万~50万(チャットサポートは10万円前後)
運営代行:20万~50万+売上5%~20%(成果報酬がない場合もあります)
広告運用:広告費10%~20%
コマースメディアではお客様の要望やご希望の対応範囲によってサービス内容を調整しているため、あくまで参考価格となりますが下記のような大枠の料金プランを用意しております。
料金表に記載しているサポート内容はあくまで概算的なものとなります。お客様の依頼内容によって料金や依頼可能な件数が増減することがあります。あらかじめご承知ください。
※ご発注意思のない見積もりのご依頼はお断りしています。
CMのサービスの流れ
ご依頼内容によって変わる場合もありますが、コマースメディアでは下記のような流れでサービスの提供をいたします。楽天市場の市場調査から始め、売上目標のすり合わせ、KPI設定や施策のスケジューリングを行い、今後何をいつ行うのか明確に示し、お客様に安心していただけるようなサービス提供を心がけております。
市場調査
まず、楽天市場の市場を調査し、お客様の目標が現実的なものか、あるいは低すぎたりしないかなどを確認し目標プランを作成いたします。目標設定
上記で調査した目標に対してすり合わせを行い最終的な年間や月ごとの売上目標を決定いたします。
販促予算調整
上記で設定した目標に対して必要な販促予算を算出いたします。販促予算の捻出が難しい場合は目標の調整が必要な場合があります。
KPI設定
売上の目標や、販促予算からアクセス・転換率・客単価のKPIを設定いたします。
課題分析(競合とのギャップなど)
設定したKPIや競合とのギャップを把握し、施策をまとめタスクを整理していきます。
スケジューリング
整理したタスクの実行スケジュールや、月ごとの楽天イベントに合わせた全体のスケジュール作成を行います。
実行
上記で定めていった内容を実行していき、売上目標を達成できるようにお客様とともにPDCAを回していきます。多くの場合月1回、レポーティングの共有やタスクの実行状況、改善策の提案などのミーティングを行います。
楽天市場での売り上げアップのご相談や運用についてやお困りごとなど、お気軽に弊社にご相談くださいませ。
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