EMS(国際スピード郵便)とは
海外配送(越境EC)を検討している企業が増えている中で、まず初めにおさえておきたいのが 日本郵便が行う海外配送サービス「EMS(国際スピード郵便)」です。
EMSは世界120以上の国や地域に、重量30kgまでの書類や荷物を送れる国際郵便で最速のサービスです。
荷物の追跡や補償制度もあることからも分かるように安心して利用できるという事で利用者も多く、比較的簡単に利用することが可能なサービスです。
配送金額は地域と重さで決まる
EMSの配送料金に関しては、配送地域と重さにより決まります。国内の配送のようにサイズは金額に影響しません。
※ただし、地域によって配送可能な大きさ/重さの制限はございます。
越境ECを行う企業様におきましては、送料の設定は地域別に設定するなどの調整が必要となります。一律で設定した場合、アジア圏とヨーロッパ圏では倍近く金額が変わってきますので、ご注意ください。
配送禁止商品
国際郵便では法律・条約などによりお取り扱いできないものが各国で定められています。 これは、EMSに限ったことではなく、他配送手段におきましても基本的には変わりません。
配送手配をする前に必ず禁止商品を確認してから準備を進めることをおすすめします。
EMSで必要な2つの書類とは
INVOICE(インボイス)
INVOICE(インボイス):海外に物品を送る際の「税関への申告、検査」で必要となる書類です。また、配送先の地域(国)での輸入通関をする際にも必要となります。
※国により必要となる書類の種類や枚数が異なる場合があります。以下よりご確認ください。
税関告知書
税関告知書:税関に対して郵便物の内容品を通知するための用紙です。海外へ配送する際には、荷物内容の品名、個数、価格等の詳細を具体的にする必要があります。税関告知書には、内容品の商品金額により異なる「CN22」と「CN23」の2種類ありますが、「CN23」に関しては「CN22」の代わりにもなりますので、基本的に「CN23」で対応すればすべての配送で対応可能となります。
※「CN22」:300SDR未満の物品を同封する場合に必要となる書類です。
※「CN23」: 300SDR以上の物品を同封する場合に必要となる書類です。
(1SDR=152.9177円/2018年1月1日現在)
INVOICE(インボイス)の書き方
記入時のご注意
送り先の国で通用する言語(または英語・フランス語)で作成してください。
INVOICEの書き方
- インボイス作成日:作成日と作成地(JAPAN)を記入
- ご依頼主:差出人の氏名/住所/電話番号を記入
- お届け先:受取人の氏名/住所/電話番号を記入
- お問い合わせ番号:EMSラベル(送り状)の番号を記入
- 送達手段:発送手段を記入(当記事においては、EMSとなります。)
- 支払い条件:特に必要なし
- 備考:該当項目をチェック
- 内容品の記載:具体的な品名、正味重量、数量、単価、品名ごとの総額、合計額を記入
※「生活用品」などのあいまいな記入はNG - 通貨:JPY
- 郵便物の個数・総重量・原産国:指示に沿って記入
- 署名:差出人の署名を記入
税関告知書(CN23)の書き方
記入時のご注意
送り先の国で通用する言語(または英語・フランス語)で作成してください。
CN23はCN22の代わりになります。今回はCN23の書き方のみ解説します。
税関告知書(CN23)の書き方
- 差出人:差出人の氏名/住所/郵便番号/国名を記入
- 受取人:受取人の氏名/住所/郵便番号/国名を記入
- 郵便物番号:EMSラベル(送り状)の番号を記入
- 内容品の詳細な記載・数量・正味重量(総重量)・価格(総額):指示に沿って記入
- 商品の場合のみ記載:製品の原産国を記入(HSコードは未記入でも可)
- 差出局・差出年月日:郵便局にて記入
- 差出人の署名及び日付:日付と差出人の署名を記入
EMSラベル(送付状)の書き方
個人でEMSを使用する場合、基本的には手書きのEMSラベル(送り状)を使用している方が多いかと思います。EMS伝票は郵便局でしか取り扱いがないため、直接郵便局に取りに行くことになります。また、法人や出荷量が多い方にとっては、全て手書きで対応することとなり、多くの時間を要するだけでなく、間違いなども起こしやすいというデメリットがあります。
そのような問題を解決するのが、「国際マイページサービス」です。
国際マイページサービス
郵便局の国際マイページサービスの中の「オンラインシッピングツール」では、データを取り込んで一括でEMSラベル(送り状)を作成することが出来ます。また、家庭及び事務所のプリンタにて印刷が可能となるため、大幅な時間の短縮やエラー改善に直結します。
まずは、登録をおすすめします。
入力型EMSラベル(送り状)の記入項目を確認
記入時のご注意
送り先の国で通用する言語(または英語・フランス語)で作成してください。
専用のパウチ(送り状袋)が必要となります。マイページより発注する必要があります。
EMSラベル(送り状)の書き方
- From(差出人):差出人の氏名/住所/郵便番号/国名/電話番号を記入
- To(受取人):受取人の氏名/住所/郵便番号/国名/電話番号を記入
- 内容品の詳細な記載:内容品の原産国・個数・正味重量・合計価格(総額):指示に沿って記入
- 商品の場合のみ記載:製品の原産国を記入(HSコードは未記入でも可)
- 総重量:梱包済みの総重量を入力
- 郵便料金:総重量入力が完了すると、自動的に反映されます。
- ご署名:差出人の署名を記入
配送手配
「梱包済みの配送商品」「インボイス」「税関告知書」「EMSラベル」が揃いましたら、郵便局窓口もしくはEMS集荷にて出荷を完了させます。まとめ
法人の場合には、法人契約をすることで値引きも可能です。
今後も需要が伸び続ける海外発送(越境)において、配送方法が非常に重要となります。
EMSは、補償やスピードにおいて、非常に安心できるのが最大の魅力です。他サービス(ヤマト宅急便「国際宅急便」・佐川急便「飛脚国際宅配便」・DHLなど)もありますが、まずはEMSから初めてみてはいかがでしょうか。