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ANA公式ギフトショップ様 インタビュー | 楽天市場 運営・コンサルティング事例

独自の企画力とANAのブランド力で成長を続ける「ANA公式ギフトショップ 楽天市場店」。今回、EC事業立ち上げの経緯やこれまでの成長ストーリーについて、株式会社ANAケータリングサービス外販事業部 企画営業課 石井様、牧野様にお話を伺いました。

コマースメディア担当(聞き手):佐藤・武田

ANA公式ギフトショップとは

ーーまずはブランドについてご説明いただけますか?

石井様:「ANA公式ギフトショップ」は弊社株式会社ANAケータリングサービスが展開しているEC店舗です。弊社は、ANAの機内食製造・調整から航空機への搭降載業務などを行っています。事業拡大の一環として、機内食製造のノウハウを活かして、新しい商品の企画・開発・販路拡大を行い、地上でも空の上のサービスを味わってもらえるよう取り組んでいます。販路の1つとしてECサイトでの販売を行っており、機内で実際に提供している「機内食」をはじめ、ANAらしいワクワクを詰め込んだ自社ブランド「ANA FINDELISH」商品などを取り扱っています。

ANAケータリングサービス本社

ECを立ち上げたきっかけ

ーーEC事業に注力しようと思った経緯を教えていただけますか?

石井様:大きなきっかけとなったのは、新型コロナウイルスの影響です。新型コロナウイルスの影響で、旅行や移動を制限された生活が余儀なくされる中、航空産業も大きな影響がありました。弊社も例外ではなく、機内食の提供をはじめとするサービスを大幅に縮小せざるを得ませんでした。行動が制限されるコロナ禍においても、お客様との繋がりを維持できないかと考える中で、お客様からも「どこにも行けないけど、旅行気分を味わいたい!」というニーズがあることを知り、オンラインでの販売にトライしてみようと考えました。

最初の頃は、「機内食」というカテゴリー自体がEC販売での馴染みがないため、認識されておらず、アクセス数が獲得できませんでしたが、テレビや雑誌の取材を通じて、話題となり、徐々に広がりを見せるようになりました。

ANAケータリングサービス 石井様
ANAケータリングサービス 石井様

ECにおける課題・悩み

ーーEC事業を強化する上で当時ネックになっていたことはございますか?

牧野様:はい、当時はいくつかの課題がありました。まず、EC未経験のメンバーが多く、ゼロからの立ち上げを進めなければならなかったことと、その中で商品ページの作成や販促、受注処理・配送業務を全て自社でおこなっていくことに不安を抱えていました。

ANAケータリングサービス 牧野様
ANAケータリングサービス 牧野様

ーー具体的にはどのような点に苦労されましたか?

牧野様:商品ページの作成や販促については、ECの知識や経験が不足しているメンバーが多かったため、どうすればお客様の興味を引き、購入につなげられる商品ページを作れるのか、最初は手探りでした。さらに、メルマガや広告といった販促施策についても、どのタイミングで実施すれば効果的か、どのくらいの費用をかけるべきか、正確な判断が難しい状況でした。それでも、販売実績が少しずつ積み上がっていく中で、徐々に施策の方向性が見えてきました。

もう一つの受注や物流に関してですが、 当初は自社で手作業による出荷業務を行っていたため、コストも工数もかかっていました。その後、出荷業務を外部に委託することで効率化を進めましたが、一時的に拠点が分散してしまい、受注処理に時間がかかる時期もありました。現在では物流拠点を集約し、業務の効率化に成功していますが、まだ解決すべき課題が残っていますので、引き続き取り組んでいるところです。

依頼の背景

ーーそういった背景がある中で弊社にご依頼いただいたきっかけは何だったのでしょうか?

石井様:コマースメディアさんとの出会いは、コマースメディアさんがサポートされている他のEC店舗様とお話しする機会があり、その際にEC運営で抱えている悩みや疑問等を相談したところ、コマースメディアさんを紹介していただいたのがきっかけでした。私達自身、EC運営への経験や知識がない状態であり、不安な思いもありました。当時の担当者様とお話しさせていただいた際、親身にご相談にのってくださり、一緒になってEC運営のパートナーになっていただけると感じたので、最終的にサポートを正式にお願いすることになりました。

コマースメディアとの取り組み

ーー弊社との取り組みの中で印象に残っていることはございますか?

牧野様:当初、商品の見せ方や販売方法に課題を抱えていて、どうやって販売を展開していけばいいか悩んでいました。そんな中、コマースメディアさんから「季節のイベントに合わせた商品企画に挑戦してみてはどうですか?」というご提案をいただきました。

このご提案をきっかけに、年末年始のイベントシーズンに向けて、商品の組み合わせ方やページでの見せ方を工夫し、2023年の年末には「福袋」セットを企画・商品化しました。この企画は、目玉商品となり、年末年始の売上を大きく伸ばし、楽天市場のランキングにも掲載されるほどの成果を収めました。新規顧客の獲得にもつながり、私たち自身、商品企画を通じて多くの効果や学びを得ることができました。

特に印象的だったのは、機内食としての魅力がまだまだ引き出せると感じた点です。これを機に、さらに多くの方に機内食の魅力を知っていただきたいという思いが一層強まりました。

楽天市場へのランキング掲載
ANA公式ギフトショップの商品例

 

ーー弊社をパートナーとして信頼いただけている理由はどういった部分でしょうか?

石井様:私たちがコマースメディアさんに信頼を寄せている理由は、
・弊社の抱える課題や疑問に対して、非常に親身になって相談に乗ってくださり、的確なアドバイスをいただけること。
・新しい企画や販促だけでなく、運営面のフォローやお客様サポート(CS)に至るまで、幅広くサポートしていただける点。
・弊社独自の課題、例えば3温度帯の物流特性といった特殊な事情にも、しっかりとご理解いただけること。などです。

EC事業の成長

ーーこれまでのEC事業の歩みを振り返っていかがですか?

牧野様:ECでの機内食販売が、どのようなお客様やシーン、ニーズに受け入れていただけるのか、最初は非常に不安がありました。また、弊社はEC運営が初めてのメンバーばかりで、まさに手探りの状態でした。ですが、コマースメディアさんのサポートのおかげで、何とかショップを開店し、販売をスタートすることができました。

ーーコロナ禍が成長のターニングポイントになりましたね。

石井様:はい、特にコロナ禍の時期には、外出が難しい中で「おうちで旅気分!」というコンセプトが受け入れられ、ご自宅で機内食を楽しんでいただけることにお客様から大変ご好評をいただきました。そのおかげで、大きな売上を作ることができたんです。この期間の実績がきっかけとなり、ショップ運営もニーズに追いつけるように!と徐々に軌道に乗り、多くのお客様に知っていただけるようになりました。今もなお、コロナ禍の頃からご利用いただいているリピーターの皆さまに支えられていることは本当にありがたいことです。

コロナ禍を経て、ようやくEC事業としてのショップ運営やお客様対応が形になり始めたと感じています。ショップが成長する中で、私たち自身も日々学びや気づきを得て、徐々にECに従事する者として成長している実感があります。地上でも皆さまに楽しんでいただける商品企画や広告運用に今後も挑戦し続けていきたいと思っています。

ANA公式ギフトショップが展開する商品の一例
ANA公式ギフトショップが展開する商品の一例

今後について

ーー今後さらに強化していきたいポイントがあれば教えてください。

石井様:まだまだ発展途上な部分が多いと感じています。まずは、お客様からのご要望や期待が大きい「ギフト対応」や「配送サービスの向上」といった点で、サービスレベルを少しずつ改善していきたいと考えています。そのためには、物流基盤の整備に加え、作業の効率化・自動化などを進めていく必要があると感じています。

また、弊社独自の「機内食」の魅力をさらに引き出し、お客様にしっかりと伝えていけるような商品設計や販促活動についても、新しい挑戦を続けていきたいと思っています。コマースメディアさんからのご提案や、他社の取り組み事例を参考にしながら、学びを深めていき、それをお客様に喜んでいただける商品作りや、新規顧客の獲得に活かしていければと考えています。今後も、より強固で魅力的なショップを目指して、基盤をしっかりと固めていくつもりです。

最後に

ーーコマースメディアに対する期待・要望があれば教えてください。

コマースメディアさんには、何もないところからショップの開設、配送設定、商品の選定など、基本的な構築から、毎日の運営や販売促進のアドバイスまで、多岐にわたるサポートをいただいてきました。今のショップがここまで来られたのは、まさに皆さまのサポートがあってこそだと感謝しています。

私たち自身も、教えていただいたことやご提案いただいた内容を、時間をかけながらも少しずつ形にしていくことで、ようやくショップ運営のスタートラインに立てたと感じています。

今後も、弊社ならではの商品の魅力を、コマースメディアさんの知見を活かして、より効果的に、そして多くのお客様に伝えていければと思っています。より多くのお客様の期待に応え、より多くの商品をお届けできるよう、引き続きご支援いただけると嬉しいです。

コマースメディア担当:武田・佐藤
コマースメディア担当:武田・佐藤