Shopifyは2004年にカナダで創業されたECサイト作成サービス。
世界シェアNo.1を誇り、175カ国・100万店舗以上(2020年1月14日時点)で利用されています。
2017年には日本法人ができ、国内でも導入企業が急速に増加中。
知識やスキルがなくても、機能的でデザイン性にすぐれたECサイトが作れ、運用も簡単にできると評判です。
Shopify導入のために情報収集をしたり、他サービスと比べて導入を迷ったりしているネットショップ担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、
「Shopifyを導入したいけど評判はどうなのか」
「Shopifyを導入したいけど他のサービスとくらべて良いのか」
「Shopifyを導入したいけど費用はいくらかかるのか」
といったお悩みを持つ方に向けて、Shopify導入のメリット・デメリットや、他サービスとの比較についてご紹介します。
Shopify導入のメリット
Shopifyは、ECサイト構築コストが比較的安くすむことや、操作性がシンプルで使いやすいこと、機能拡張のためのアプリが非常に充実していることで知られています。ほかにも決済方法が非常に充実していることや、デザインテンプレートが多い点なども高く評価されています。
メリット1:ECサイト構築コストが低い
ベーシックプランは29ドルとなっており、2020年1月14日現在ではおよそ3,194円(1ドル=110.14円で計算)。月額費用は国内の有料ASPカートと変わらず、しかも初期費用がかからないのがポイントです。
Shopifyはすべてのプランにおいて、商品数や画像ファイルなどの容量が無制限なのも大きなメリット。プランによって容量が決まる国内のASPカートとくらべて、コストを気にせず使えます。
スタート時は下記のページからメールアドレス、パスワードなどを入力した後、アンケートや個人情報を入力すればすぐに利用可能。しかも14日間は無料で利用できます。
料金のみならず、利用にともなう手間や時間などもトータルで考えると、Shopifyは非常にコストパフォーマンスのよいサービスです。
とくにスピードの速さが求められるネットショップの業界において、ECサイトはまずスタートさせて、顧客の反応や売れ行きを見ながら徐々に作り込んでいくことが大切です。
Shopifyなら始めやすく、必要な機能を追加しながら理想的なECサイトを構築していけます。
メリットその2:操作性がシンプルで使いやすい
ShopifyはECサイトの構築・運用がシンプルな操作で可能です。
システム開発の知識がなくても、テンプレートを選び、画像やテキストを差し替えるだけでECサイトが構築・デザインできます。サーバーも用意されているので、ショップの開設が簡単です。
サーバー契約や管理の必要がないことは、大きなポイント。さらにShopifyのサーバーは落ちにくいとの定評もあり、急な注文の増加やアクセスが集中したときでも安心です。
管理画面もシンプルな構成となっており、直感的に操作ができます。モバイル用のアプリもあり、アクセス状況や注文状況、在庫もスマホなどから簡単にチェックできます。
メリット3:充実したアプリ
オリジナルの機能だけでもECサイトをスタートできますが、さらにShopfyには「アプリ」といって、ワードプレスにおけるプラグインのような拡張機能があります。
その数は、なんと2,000種類以上。ECサイト作成サービスの中ではおそらく一番多いとみられます。アプリは「外部ツール連携」「メール、検索対策」「SNSマーケティング」「在庫管理」「配送手配」「送付状印刷」などさまざまなカテゴリのものが、無料・有料で用意されており、自社のホームページに合った機能を選べます。さまざまなアプリを組み合わせることで、より効率的にショップ運営ができるようになります。
おすすめのアプリについては下記の記事でもご紹介しています。
Shopify Experts認定企業オススメのアプリ12選(一覧あり)
Shopify導入のデメリットとは?
Shopifyのデメリットとしては、以前は一部英語表記の部分があること、デザインを作り込む場合はHTMLの知識が必要なこと、電話サポートが進んでいないことなどがあげられていました。しかし現在ではアップデートが進み、だいぶ使いやすくなっています。
デメリットその1:英語での使用が必要な部分がある
以前は管理画面に英語表記のページがあり、使いにくい部分もありましたが、現在では日本語の管理画面が導入され、ショップの作成、管理、運用といった日常業務は日本語で問題なく行えます。
追加でインストールできるアプリについては英語で解説されているものもありますが、直感的に操作できるものがほとんどなので安心です。また日本発のアプリも増えてきており、どんどん使いやすい環境になってきています。
また以前は管理画面の顧客情報を入力する欄で、姓名を逆に入力する必要がありましたが、現在ではそれも修正され、より入力しやすくなっています。
デメリットその2:デザインの際に専門知識の知識が必要
Shopifyは管理画面がシンプルで、直感的に操作しやすいため、HTMLやデザインの知識がなくてもサイトの作成や運用は十分できます。
ただし商品の配置を変える、文字の大きさや色を変えるなど微調整をしたい場合は、HTMLやLiquidなどの専門知識が必要となる場面も。
LiquidはShopify特有のプログラミング言語。こまかなカスタマイズを行う場合は、こちらの言語を学習する必要があります。
逆にいえば、デザインにもっとこだわろうと思えば無限大に作り込めることもShopifyのメリット。テンプレートは無料のもののほか、世界中のプロのデザイナーが作成したテンプレートを販売するデザインマーケットも用意されています。また無料で利用できるクオリティの高い画像素材やフォントも充実しています。
簡単に機能的でデザイン性にすぐれたECサイトを作りたい方から、とことんこだわって理想のサイトを作り込みたい方まで、幅広く対応しているところも、Shopifyならではの魅力です。
デメリットその3:サポート体制が盤石ではない
ECサイトを作成、運用する中で、不明点が生じたときに、電話で問い合わせたくなることもあるでしょう。Shopifyは、日本語による電話サポートには現時点では対応していません。
しかし日本語メールによる問合せは24時間365日受付けているので安心です。さらに今後、サポート体制は強化されていく見通しです。
また運用においてわからない点は、Shopifyスタッフやユーザー同士でつながれるコミュニティがあるので、そこで質問したり、運用ノウハウを紹介した日本語ブログを読んだりすることでも解決できることが多くあります。
気になるShopifyの料金とは?
Shopifyには月額9ドルのライトプランもありますが、ECサイトというよりは、ソーシャルメディアで商品を売る場合など個人向けのプランなので詳細は割愛し、ここではベーシック、スタンダード、プレミアムの3プランについて解説します。
Shopifyの料金はアメリカドルで請求されます。
2020年1月14日現在で、ベーシックプランは29ドル=3,194円、スタンダードプランは79ドル=8,698円、プレミアムプランは299ドル=32,919円(1ドル=110.14円で計算)となっています。
プランごとにクレジットカード手数料、取引手数料なども変わります。月額料金は1年、2年、または3年と請求サイクルが変わった時点で割引となります。
取引手数料は、外部決済サービスを使用して顧客からの支払いを受け取る場合、各取引に適用される料金に、外部決済サービスとの統合手数料が含まれたものです。
日本国内のクレジットカードであれば、プランごとで大差はありませんが、Shopifyペイメントのクレジットカード払い以外の支払い方法の場合には0.5%〜2%の取引手数料が必要となります。
販売手数料は発生しません。他のネットショップ作成ツールでは、販売手数料や振り込み手数料が高いものもありますので、これもShopifyのメリットです。
ベーシックプランの料金とできること
ベーシックプランでは、以下の機能が使えます。
- ネットショップ
- 無制限の商品登録数
- 無制限の帯域幅とオンラインストレージ
- Shopify POS
- オンライン販売チャネル
- 不正解析
- 手動での注文作成
- クーポンコード
- スタッフアカウント2名
- ダッシュボードの概要
- 財務レポート
- カスタマーサポート
- かご落ち対策
- SSL証明書
- その他のレポート
アップロードできるファイルや写真の数は無制限。国内カートではプランによって容量が決まることが多いのですが、Shopifyの場合はコストを気にせず存分に使えます。
財政レポートに加えて、集客レポートやマーケティングレポートなどもチェックでき、これらを分析することで、ショップの成長に役立てることができます。
スタッフは2名までアカウントを共有可能。24時間体制の日本語メールサポートも受けられます。ライトプランは、スタートアップのECサイトに向いているでしょう。
スタンダートプランの料金とできること
スタンダードプランでは、ベーシックプランに含まれるすべての機能に加えて、
- ギフトカード
- プロフェッショナルレポート
の機能を利用できます。
ギフトカード機能は、アマゾンギフトカードのように商品券として利用できるものです。価格を自由に設定できるため、記念日やイベントの際などの贈り物としてはもちろん、無料でECの顧客に発行することも可能です。
既存顧客の購買意欲を刺激できるとともに、ギフトカードを贈られた人にも商品やブランドを認知してもらえるメリットも。またギフトカードはキャンペーンやイベントの特典などとしても効果的に使えます。
プロフェッショナルレポートでは、ショップの販売傾向を詳細に分析し、ECサイトの改善に役立てられます。たとえば特定の商品の販売状況を確認し、ユーザーの購入傾向に合わせて商品ページを整理する、リピーターと初回購入客の傾向をつかむことで新たなキャンペーンを計画する、などの施策がスムーズにできます。
複数人のスタッフ体制で運営している規模のECサイトであれば、このスタンダードプランがおすすめです。
プレミアムプランの料金とできること
プレミアムプランでは、スタンダートプランの機能に加えて
- カスタムレポート
- 高度な顧客レポート
- 配送業者の送料自動計算
の機能が利用できます。
カスタムレポートは、デフォルトのレポートをカスタマイズして、オリジナルのレポートを作成できる機能です。
高度な顧客レポートでは、リスクのあるお客様やロイヤルカスタマーのレポートをチェックすることができます。またGoogle広告などの流入サービスごとに、商品の売上を追跡するレポートを作成することも可能。マーケティング戦略を立てるうえで非常に役立ちます。
また配送業者の送料自動計算により、外部の配送サービスと統合して、ユーザーが注文した時点での正確な配送料を提示できるようになります。ユーザーは、標準配送、当日配送など、さまざまな配送オプションを選択することも可能となり、配送におけるユーサビリティをより高められます。
プレミアムプランでは、スタッフ15人までアカウントを共有できます。また取引手数料やクレジットカード手数料が最も安くなります。
今後よりマーケティングに注力していきたいECサイトや、売上規模の大きなECサイトには、プレミアムプランがおすすめです。
無料トライアル
どの料金プランを選べばよいかわからない場合は、14日間の無料トライアルに登録し、使用感を確認するとよいでしょう。以下の画面に必要事項を入力するだけで、すぐにスタートできます。
プランのアップグレードおよびダウングレードはいつでも可能です。たとえばスタッフが2名以下の小規模はショップであれば、ベーシックプランからスタートし、売上が拡大したらスタンダードへ移行するなど、ショップの成長に応じて変更するのもおすすめです。
Shopifyと比較したいECサイト構築サービスとは?
Shopifyの詳細はわかったものの、他サービスとの違いをもっと知りたいという方のために、料金やデザイン、機能などについて、国内外のECサイト構築サービスと比較してみました。
サービス名 | Shopify | カラーミーショップ | BASE | STORES | Welcart |
---|---|---|---|---|---|
商品登録数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 (無料プランは5点) |
不明 |
CSV一括登録 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 |
定期購入 | アプリを使ってカスタマイズ | 可 | 可 | プラグインで可 | |
外部カート機能 | 可 | 可 | 不可 | 可 | プラグインで可 |
初期費用 | 無料 | 3,000円(税抜)(レギュラープラン) | 無料 | 無料 | 無料(別途ドメイン・サーバーの準備が必要) |
月額費用 | 29ドル | 3,000円(税抜) | 無料 | 1,980円+税(無料プランもあり) | 無料 |
決済手数料 | 3.25〜3.9% | 4~5%(カラーミーペイメントの場合 月額最低手数料あり) | 3.6%+40円 | 3.6%(無料プランは5%) | 3.5%(WelcartPayの場合 別途初期費用3000円も必要) |
販売手数料 | 0円 | 0円 | 3%(サービス手数料として) | 0円 | 0円 |
振込手数料 | 0円 | 0円 | 250円(別途引出手数料500円・2万円以上で無料) | 275円 | 0円 |
カラーミーショップ
全国4万5,000店以上と、国内ではもっとも利用店舗数が多く、人気のカラーミーショップ。多彩な機能や外部連携が進んでおり、本格的なECサイトを運営できると評判です。
shopifyと共通している点は、デザインテンプレートが充実しており、初心者でも簡単にショプを作成できて、HTMLやCSSでカスタマイズも可能なところや、アプリを追加することで、海外販売やweb接客、離脱防止など運営に必要となる機能を搭載できるところです。
初期費用は3,000円かかりますが、販売手数料はかかりません。月額費用については、834円のエコノミープランもあるのですが、使用できるデザインテンプレートやフリーページに制限があるため、本格的にECサイトを成長させていきたい場合には、月額3,000円のレギュラープランがおすすめです。
決済手数料は決済代行会社によって異なります。たとえばカラーミーペイメントの場合4〜5%。さらにクレジットカード会社ごとに月額最低手数料が1,000〜2,500円に設定されており、月の決済手数料がこの金額を下回る場合、この金額を支払う必要があります。
またshopifyではベーシックプランでも財政レポートに加えて、集客レポートやマーケティングレポートなどもチェックできる機能がありますが、カラーミーショップでの分析データは売り上げデータのみとなっています。
Base
ネットショップが30秒で、無料で開設できると評判のBASE。80万店舗以上に導入されています。
Shopifyと共通しているのは、デザインテンプレートを活用しながら初心者でも簡単にショップが作れること。またHTMLによりカスタマイズも可能な点です。Appにより、配送日設定、独自ドメイン、カテゴリ管理など多彩な機能を追加することもできます。
デザインテーマはともに無料のテーマと有料のものががありますが、テーマはShopifyのほうが数はかなり多くなります。
アプリについてはShopifyの場合2,000種類以上あり、より幅広く機能をカスタマイズすることが可能。対してBASEのアプリは50種類ほどがコンパクトにまとまっており、なるべく簡単に運営できるようにしてあります。
BASEは初期費用・月額費用ともに無料ですが、1回の注文の総合計(送料含む)に対してサービス利用料が3%かかります。売り上げを拡大していきたい場合には、決済にShopifyペイメントを使えば注文に対して手数料がかからないShopifyにメリットがあるでしょう。クレジットカード決済手数料はShopifyが3.25%〜、BASEは3%+40円と大差ありません。
決済については、Shopifyはクレジットカード決済やコンビニ決済、代引き、PayPal、Amazon paymentsなどのネット決済や、仮想通貨までカバーしています。BASEはクレジットカード決済、コンビニ決済・Pay-easy、銀行振込、後払い決済、キャリア決済の5つの決済方法に対応しています。
STORES
最短2分でネットショップの開設・販売ができるインスタントECサービスとして評判のSTORES。毎月1万件以上のネットショップが開業しています。
Shopifyとの共通点は、デザインテンプレートを活用しながら初心者でも簡単にショップが作れること。ともにHTMLでカスタマイズも可能ですが、Shopifyは自由にカスタマイズできるのに対し、STORESでは編集できる部分が限られています。より理想的なECサイトに作り込みたいならShopifyがおすすめです。
販売手数料はともに無料です。STORESは初期費用・月額費用ともに無料プランがありますが、無料プランではクレジットカード決済手数料が5%とアップしてしまいます。月額1,980円の有料プランを利用すれば3.6%に抑えることができますので、売り上げを拡大していきたい場合にはこちらがおすすめです。Shopifyのクレジットカード決済手数料は3.25%〜となります。
また振込手数料はShopifyは無料、STORESは250円かかります。
クレジットカードやコンビニ決済、キャリア決済はいずれのサービスも網羅していますが、ShopifyはApple PayやGoogle Payなど最新の決済方法や、仮想通貨で決済することもできるなど、より幅広い決済方法を提供しています。
welcart
WelcartはWordpressにインストールできるカートシステムです。WordPressサイトに追加するだけで無料で簡単にネットショップを始められ、国内ECプラグインシェア No1 の実績があります。
Shopifyや上記3つのASPカートと比べて、Wordpressで実装するため、ある程度の知識が必要となりますが、ログインや管理画面がWordPressと共通しているため、WordPressを使い慣れた方にはおすすめです。
専用のテーマや拡張プラグインでお気に入りのデザインや機能を追加することも可能です。
Welcartを使ってECサイトを始めるためには、サーバーを契約してWordPressをインストールし、ショップのURLとなるドメインも取得する必要があります。
初期費用、月額費用は無料。クレジットカード決済手数料は3.5%と、Shopifyの3.25%〜と大差ありませんので、コストは比較的低く抑えられるでしょう。
【まとめ】Shopifyを活用して売れるECサイトを作ろう
・Shopify以外にもECサイト構築サービスがあるがShopifyはとにかく使い勝手が良い
とにかくシンプルかつ高機能。簡単にECサイトの構築・運用ができるうえに、これまでに紹介したようなメリットのほかにも、SNSとの連携機能があったり、カゴ落ち機能が無料で使えるなど、売り上げを伸ばすための機能が充実しています。
初期費用や販売手数料もかからないため、イニシャルコスト、ランニングコストを抑えられますし、開設・運用の手間や時間もかからず、トータル的にみてとてもコストパフォーマンスがよいサービスです。
・プラグインやテーマも充実しており、越境ECに向いているメリットは大きい
「外部ツール連携」「メール、検索対策」「SNSマーケティング」「在庫管理」「配送手配」「送付状印刷」などさまざまなカテゴリがある2000種類以上のアプリを導入することで、自社のECサイトに合った機能を搭載できます。
またデザインテーマも豊富で、商品やブランドのイメージに合った見やすく機能的なサイトを構築することが可能。国内の市場だけを考えている企業の方にはもちろん、海外決済や幅広い言語にも対応しているため、将来的に海外での販売も視野に入れている場合もおすすめです。全世界対応のECサイトがつくれるサービスとしては、コスト面もさらに安価だといえます。
・まずは無料トライアルで使用感を試してみるのが吉
できる限りコストを抑えながら、簡単にECサイトを運営していきたい方はぜひ、Shopifyの14日間の無料トライアルに登録し、使用感を確認してみてください。