「Shopeeでの出店を検討している」
「出店する前にShopeeがどんなECモールなのか評判を知りたい」
「他のECモールとの違いは?」
この記事はそんな方のための記事です。今後さらなる成長が期待されている東南アジアのEC市場。そんな中、でとくに注目されているのが今急成長中のECモール「Shopee(ショッピー)」です。この記事では、Shopeeでの出店を検討している方に向けて、その具体的な評判をECサイト制作・運用のプロが ご紹介します。
【本記事のポイント】
- Shopeeの評判がわかる
- Shopeeが注目されている理由がわかる
- Shopeeと他ECモールとの比較がわかる
急成長ECモール「Shopee」について
東南アジア5ヵ国で売上規模No.1
Shopeeは、主に東南アジアで爆発的な人気を集めているECプラットフォームです。サービス開始からわずか1年で総流通総額18億円を達成。東南アジア圏内での総売上は1兆円(2018年)を超えています。
月間平均訪問者数では、2018年6月まで1位だった「LAZADA(ラザダ)」を抜いて1位に。またShopeeでは、100以上のブランドが展開されており、1日あたり平均140万件以上の注文数があります。
アプリDL数1億以上。SNSとの相性も抜群
Shopeeは、アプリのダウンロード数も圧倒的。Shopeeアプリの総ダウンロード数は1億を超えており、1,000万人を超えるSNSのフォロワーを抱えています。
そしてShopeeは、SNSとの相性が抜群。それは、東南アジア諸国におけるユーザーのネット接続時間は日本を大きく上回っており、なかでもモバイルデバイスを利用するユーザーが圧倒的に多いことが理由のひとつにあげられます。
日本を含む先進国では、はじめにパソコンでのECサイト利用が浸透し、次いでスマートフォンでの利用が根付いていきました。しかし、東南アジア諸国ではパソコン利用の浸透を経ずに、モバイルデバイスの利用が加速したのです。
FacebookやInstagramなどのSNSもスマートフォンで利用する人が多いため、モバイルに特化したShopeeとの相性も抜群。Shopeeの1億を超えるアプリダウンロード数を見ても、いかに多くの人がスマートフォンからECサイトにアクセスしているかがわかります。
積極的な広告展開
Shopeeは広告展開にも積極的です。FacebookやInstagramなどSNSでの広告はもちろん、サッカー選手「クリスティアーノ・ロナウド」を起用したテレビCMも話題に。
マスメディアでの広告によって多くの層からの認知も獲得していることから、今や国民的なアプリとなっているといっても過言ではないでしょう。
「Shopee」が注目されている理由
東南アジアで急成長を続けているShopeeですが、「購入者」だけでなく「出品者側」からも注目されています。Shopeeが出品者側から注目されているポイントをいくつか見てみましょう。
購入者と出品者が直接取引可能
Shopeeは、モールを介さず購入者と出品者で直接取引をすることも可能です。アプリ内に販売者とチャットする機能が備わっており、購入者は「Chat now」をタップすることで出品者と直接チャットができます。
出品者への手厚いサポート
Shopeeの大きな魅力の一つに、「出品者への手厚いサポート」があります。具体的なサポート内容は以下のとおり。
- 売上手数料1%
- Web店舗管理ツール
- 送料補助
- 多言語支援
- 運送サポート
- ワンクリックで7か国へ同時展開可能
たとえば日本から東南アジア各国へ販売する場合でも、ECサイト利用時にかかる変動費や固定費などの手数料は1%です。また、Webで店舗管理ができるツール、多言語支援なども充実しています。
ユーザーに商品を届けるための送料補助に加え、「安く・早く・安定した」運送サポートも魅力的。また、一つの国だけでなく複数の国への同時展開が可能なため、より広い市場へ販路を広げられます。
日本にいながら出店できる
そして、日本にいながら出品できる「越境EC」の強さもShopeeの魅力。弊社でも運営しておりますが、コストを抑えながら、効率よく海外に向けて商品を販売することが可能です。
今後さらなる成長が期待される東南アジアのEC市場に、日本から勝負をかけることができます。販売コストを最小限に抑えたい事業者にとって絶好のサービスといえるでしょう。
「Shopee」と他ECモールの比較
他ECモールとの比較を見ていきましょう。ここでは、Amazon、Cdiscount、Alibaba、LAZADA、JOOMの5つと比較しています。
【Shopeeとその他ECモールの比較表】
Shopee | Amazon | Cdiscount | Alibaba | LAZADA | JOOM | |
---|---|---|---|---|---|---|
出店費用 | 無料 | 6万円前後 (年額) |
6万円前後 (年額) |
100万円以上 (年額) |
無料 | 無料 |
出品方法 | ・商品情報をShopeeに提供し、運営事務所が登録 | ・出品者ページから1つずつ登録 ・エクセルでの一括登録 |
・出品者ページから1つずつ登録 ・エクセルでの一括登録 |
・出品者ページから1つずつ登録 | ・出品者ページから1つずつ登録 | ・出品者ページから1つずつ登録 ・エクセルでの一括登録 ・API連携での登録 |
販売手数料 | 1% | 〜15% | 8〜20% | 無料 | 0.5〜12% | 15% |
売上送金 | Payoneer | Payoneer | Payoneer | Payoneer、TT、Paypalなど | Payoneer | Payoneer |
物流 | ・出品者による配送 ・日本国内に専門物流センターを設置予定 |
・出品者による配送 ・FBAの場合は現地倉庫までの海外物流にのみ対応 |
・出品者による配送、FBC | ・出品者対応 | ・出品者による配送 ・シンガポールや香港の物流センターを利用する方法 |
・出品者による配送 ・中国の物流センターを利用する方法 |
対応国 | シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、台湾、韓国 | アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、中国、インド、日本、シンガポール、トルコ、UAE、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、イギリス、オーストラリア (Amazonがサイトを運営している国) |
フランス | 中国 | シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナム | ロシア |
Amazon
今や世界のインフラとして機能している「Amazon(アマゾン)」。日本国内での購入・販売はもちろん、世界のあらゆる国と取引することができます。
入荷・検品からピッキング、梱包、発送など一連の流れである「FBAサービス」も日々進化しており、出品者の運営負担も少ないのが特徴です。
しかし、「購入者を第一に考えたサービス」を提供するAmazonでは、低評価につながる「発送の遅延」や「勝手なキャンセル」を繰り返すと、サスペンド(アカウント停止)になるので要注意といえます。
Cdiscount
フランスの大手ECプラットフォームとして知られる「Cdiscount(シーディスカウント)」。
Amazonに次ぐECモールともいわれており、出品者の負担を限りなく減らしたFBAサービスが魅力的です。
Cdiscountでは「ニッチな商品」でも比較的売れやすくなっています。ヨーロッパという大きな市場、そしてニッチな商品に強いことから「Amazonでは売れ残ったけどCdiscountでは売れた」といったケースも。
ただし、日本よりも税金の高いヨーロッパのサービスであることから、税制対応が難航するかもしれません。
Alibaba
中国の大手ECプラットフォーム「Alibaba(アリババ)」。BtoBサービスである「アリババドットコム」をはじめBtoCサービス「天猫 Tmall」、またCtoCの「タオバオマーケットプレイス」など幅広いEC事業を展開しています。
BtoBに強いAlibabaですが、出品者側の自由度が高いため、やり方によってはBtoCでも売上をあげることは可能です。また、販売手数料が1%と安価なのも魅力。他ECモールでは手数料や送料がかかる商品も低コストで扱えます。一方、月額費用が高めなのがネックです。
LAZADA
主に東南アジアにマーケットを置くECモール「LAZADA(ラザダ)」。2011年にドイツのRocket Internet社が設立したサービスで、今ではタイやマレーシア、シンガポールなど東南アジア6ヶ国に展開しています。1日500万アクセス以上、3,000を超える出店数を誇る、大人気のECモールです。
まずはフィリピンへの出店からスタートし、一定の評価を得ると別国への出店が可能となります。ただし販売量に関係なく、まず香港の仕分けセンターに商品を送らなければならないのがネックです。
JOOM
ロシアで誕生したモバイルECプラットフォーム「JOOM(ジョーム)」。今、ヨーロッパで急成長しており、ロシア国内での売上と肩を並べるほどに。ヨーロッパ市場が伸びているところに期待が持てるECモールといえるでしょう。
1アカウントで50店舗の出店ができたり、アプリ内の自前のSNSでマーケティングを展開できのも魅力の一つ。ただし、モール全体で低単価の商品が多いため、いかに購入者からの購買単価を上げられるかがキモといえます。
Shopee運営における注意点
最後に、私たちが実際にShopeeを運営していて感じた、運営上の注意点についてお伝えします。
注意点1. ぺイオニアやペイパルの口座開設が必要
ペイオニアの口座がないと、売り上げを受け取れません。また、広告費を振り込む際、ペイパルの口座が必要となり、同様に口座を開設しておく必要があります。
そして当然、海外配送可能な配送業者(日本郵政など)と事前に口座を開けておく必要があります。
注意点2. 国ごとにアカウント・管理画面が異なる
シンガポール、マレーシア、台湾、タイ、インドネシアの5か国に出店可能ですが、管理画面がそれぞれ別アカウントのため、一元管理ができません。在庫もそれぞれ振り分ける必要があります。(在庫連携不可)
注意点3. Shopee内のルール・ペナルティに注意が必要
Shopee内のルールにて、ペナルティなどを課されます。そのため、一定のペナルティポイントが溜まってしまうと、フラッシュセールなど露出がNGになることなどがあります。
その他の注意点
- マレーシアは賞味期限の目安が必須のため、出荷時、賞味期限の整合性を合わせる必要がある
- ユーザーからの問い合わせは土日関係なく12時間以内にチャットで返信が必要。
- メールアドレスは顧客情報の中に含まれないため、メルマガなどの配信は不可
- Shopee側が独自にフラッシュセールを行うため、勝手に在庫を引き当てる場合がある
- 最初の段階でSkypeなどで担当とグループ作るなどしておかないと、メールでのやり取りになるため、不明点がタイムリーに聞きづらい
- そもそもまだ2015年に設立された歴史が浅いECモールのため、日本のECモールのようなきめ細やかなマーケティングデータ(検索流入や検索ボリューム)などが取れない
【まとめ】Shopeeの評判
本記事では、Shopeeの評判について以下のポイントをお伝えしてきました。
【この記事の要点まとめ】
- Shopeeは、東南アジア5カ国で売上規模No.1の人気プラットフォーム
- 日本からの出店も可能で、購入者と出品者で直接取引ができる
- 他サービスと比べて「利用料金が安い」「出品方法がシンプル」といった特徴がある
- 月額料金や販売手数料などコストを抑えつつ、商品の販路拡大ができる
東南アジアで圧倒的な人気を誇るShopee。他サービスと比べても、利用料金や出品方法において大きなメリットがあります。
また日本からの出店もできるため、東南アジアのEC市場が伸びている今からの参入は大きなチャンスといえるのではないでしょうか。
ぜひ本記事の内容を、Shopee出店にお役立てください。
※この記事は2020年6月時点の内容です。今後のアップデートやShopeeの仕様変更等により、記事の内容どおりでない場合もあります。