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Google Adsの検索広告で効果的なアカウント設計(2018年9月版)

Google Adsの自動化トレンドが進んでいる

昨今GoogleのAIファースト、機械学習(同義のため以下機械学習で統一します)というワードを色んなところで目にしますが、Google Adsを運用する中でどのくらい既に実装されている機械学習機能の恩恵を受けることができているでしょうか?

スマホの台頭によりユーザーの行動がより複雑化する中、手動運用でのGoogle Adsの最適化が年々追いつかなくなってきています。一方でGoogle Adsは、広告配信を機械学習で最適化し、パフォーマンスを最大化できるよう日々アップデートを続けています。機械学習の恩恵を受けるために、Google Adsの仕組みを理解し、土台作り・構造作りをしっかりと考えていくことが大切です。

そこで今回は、

  • Google Ads 「検索連動型広告」の構造理解
  • 機械学習の促進が行われやすいと言われるアカウント設計「Hagakure(葉隠)構造」

について説明します。

※従来の「Google Adwords」は、2018年7月に「Google Ads / Google 広告」という名称に変更されました。

検索広告の構造と各項目の役割

まずは簡単にGoogle Adsの検索広告の構造を説明します。
Google Adsの検索広告は「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」「広告」の大きく4つの要素から構成されています。それぞれの階層で何を設定できるのかは以下の通りです。

キャンペーン

  • 1日の予算
  • 入札戦略 オーディエンス
  • 配信スケジュール設定
  • 配信地域設定
  • 除外キーワード設定
  • 広告のローテーション 等

広告グループ

  • オーディエンス
  • 除外キーワード設定広告のローテーション 等

※キャンペーンと広告グループでどちらの階層でも設定できる除外キーワードや広告のローテーションの設定について以下の関係性となります。
・キャンペーンで設定あり → 広告グループで設定なし = キャンペーンで設定した内容がすべての広告グループに適応される
・キャンペーンで設定あり → 広告グループでも設定あり = 広告グループで設定した内容がそれぞれ適応される

キーワード

  • マッチタイプ
  • 除外キーワード設定 等

広告テキスト(URL)

  • 見出し3つ
  • 説明文2つ
  • 表示URL最終ページURL 等

Googleが推奨するHagakure構造とは

検索広告の構成要素を把握したところで、次の疑問はどのように組み立てるのがいいのか、ということです。おそらくこれまで検索広告を運用されてきた方の中で、1つのキャンペーンに複数の広告グループを作成して運用されてきたという方は多いのではないでしょうか。
もちろん広告グループを細かく分けて管理できると、キーワードごとの入札を細かく調整できたりとメリットはありましたが、機械学習の活用を推奨している現在のGoogle Adsにおいては、Googleが提唱する「Hagakure(葉隠)構造」というシンプルな構造をおすすめします。

Hagakure構造とは、URL(ランディングページ)に対してキャンペーン1つ・広告グループ1つのシンプルな構造です。

なぜ広告グループを1つにするのかというと、

  1. 運用の管理のしやすさ
  2. 運用データを広告グループに集約するため

という大きく2つの理由からです。

Google Adsの機械学習の最適化は、基本的には広告グループ単位で実施されるので、細かく広告グループを分けてしまうと、1つ1つの広告グループに運用データが蓄積されるのに時間がかかってしまい、機械学習での最適化が遅くなってしまいます。

よくある広告グループを細かく分けるパターンとしては、獲得したいキーワードが同じであるにも関わらず、マッチタイプごとに広告グループを分けていて同じキーワードに対して複数の学習が進んでしまうパターンです。もちろん1箇所にデータを集約したほうが学習は進みます。

それでは具体的にHagakure構造でキャンペーンを作ってみましょう。例えば高級家具を販売するネットショップの場合で、極端に説明すると以下のような構造になります。

キャンペーン 広告グループ キーワード URL
テーブル テーブル テーブル 販売 テーブル一覧や特集ページ
テーブル 通販
テーブル 高級
ソファ ソファ ソファ 販売 ソファ一覧や特集ページ
ソファ 通販
ソファ 高級

重要なのはランディングページのコンテンツに対してキャンペーン、広告グループ、キーワード、広告がシンプルに対応していることです。

では、例えばダイニングテーブルとコーヒーテーブルがあってそれぞれURLが異なる場合(ランディングページのコンテンツが違う場合)はどうするのか、という疑問が出てくるかと思います。

正直なところ、これより先は商材毎の予算や商材の種類の数などにもよるので、「このアカウント構造が最適」とは言えないのですが、URLが異なる場合は広告グループの階層で分けても、キャンペーンの階層で分けても問題はありません。上記のキャンペーンと広告グループで何が設定できるかを把握した上で、管理しやすい方法を選ぶことをおすすめします。

繰り返しになりますが、大切なことはURLに対してキーワードと広告グループがまとまっている状態です。

Hagakure構造で設計したアカウントの運用の流れ

これからHagakure構造を使用したキャンペーンを構築・運用される方には是非弊社でも活用している運用手順をご参考にしてください。

  1. クリック数の最大化で数値をみる

    キャンペーンの入札戦略からクリック数の最大化という戦略を選び、先ずはそれぞれのキーワードで予算内にどのくらいのクリック数が集まるかを知ることから始めましょう。

  2. 広告のPDCAを回す

    クリック数・CTRがある程度みえてくると広告の成果がはっきりとしてきます。成果が悪い広告はユーザーの興味や関心にマッチしていなかったり、ランディングページとの関連性がとれていない可能性があります。成果がでているテキストのパターンを増やしたり、新しい広告を作成するなど次のアクションへ繋げてください。

  3. 目標コンバージョン単価でCPAを最適化する

    クリック数を稼いである程度コンバージョンを獲得できるようになると、次はCPA(獲得単価)の最適化を目指します。入札戦略から「目標コンバージョン単価」を選択して、これまで獲得したコンバージョン単価を参考にしながら目標の単価を設定します。設定の際に、コンバージョンデータが十分に蓄積されている場合は、目標コンバージョン単価の推奨値が設定画面の下に表示されるので是非ご参考ください。

まとめ

今回は検索広告とGoogleが推奨する「Hagakure構造」について説明しました。広告の成果を上げるためには、機械学習が進むGoogleの機能に関心を寄せて情報収集をしていくことが非常に重要になってきています。機械学習の最適化にはルールやパターンがありますので、実際に運用をしながら様々なテストを行い、機械学習の促進だけでなく機械学習への理解を深めていくことが成果の最大化に繋がっていくでしょう。

最後に、当社ではECの運用をベースとした広告運用のご相談も承っております。ECサイト運営の経験があるからこその広告運用アドバイスをご提案できるかと思いますので、ご興味のある方は是非お問い合わせください。

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