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Wordpressのブログ記事をShopifyに移行する際の注意点

ECサイトをリプレイスする際に、Wordpressで運用しているブログ記事や固定ページをShopifyへ移行するケースがあると思います。
ブログの記事数が少ない場合は手動での移行を検討することもありますが、数が多い場合はこの方法は現実的ではありません。

本記事では、当社が10,000件以上のブログ記事をShopifyへ移行した経験をもとに、実際に行ってみて判明した注意点を中心にご紹介していきます。

本記事を閲覧すると、次のことがわかります。

  • Wordpressのブログ記事数が多い場合の、現実的な移行方法
  • WordpressからShopifyへブログを移行する際の注意点

※本記事は、当社の経験をもとに構成しております。ベストな方法ではない可能性がありますので、予めご了承ください。

ブログの記事数が多い場合の移行方法について

はじめに、ブログの記事数が多い場合には「Matrixify」という外部アプリを使うことを推奨いたします。

そもそもShopifyの標準機能には、ブログやページのエクスポート・インポート機能がありません。Matrixifyを使うことで移行作業が可能になります。
Matrixifyはこちら

移行の手順は、大まかに言うと下記の流れになります。

  1. Wordpress側で「AllExport」というプラグインを使用する
  2. AllExportで投稿または固定ページの設定後CSVをエクスポートする
  3. Shopify側で、Matrixifyを使いCSVをインポートする
  4. Matrixifyで生成されたデータをダウンロードする
  5. ダウンロードした画像をShopifyの「ファイル」にアップロードする
  6. ダウンロードしたExcelファイルを必要に応じて編集する
  7. 編集したExcelファイルをMatrixifyにインポートする
  8. Shopify側に移行されたページの確認やレイアウト調整を行う

この流れに沿って、次のセクションからはそれぞれの項目における注意点をまとめていきます。

※Matrixify公式のチュートリアルページがあるため、本記事では移行の手順詳細については割愛させていただきます。下記ページも併せてご確認ください。
Migrate Blog Posts and Pages from WordPress to Shopify

1. Wordpress側で「AllExport」というプラグインを使用する

Wordpressのバージョンにご注意

AllExportというプラグインを使いWordpressにある記事データをCSVにエクスポートします。
ただ、AllExportのプラグインを使うにはWordpressのバージョンが「5.0」以上である必要があります。Wordpressのバージョンが不足している場合はAllExportを使えませんのでご注意ください。

2. AllExportで投稿または固定ページの設定後CSVをエクスポートする

エクスポートする情報の設定について

AllExportの管理画面
引用元:Migrate Blog Posts and Pages from WordPress to Shopify

AllExportからデータをエクスポートする際に必須で含めなくてはならないフィールドがあり、漏れるとMatrixifyにインポートする際にエラーになってしまいます。

下記の項目は含めておくことを推奨いたします。

ブログ記事の場合

  • ID
  • Title
  • Content
  • Excerpt
  • Date
  • Permalink
  • Alt Text
  • Featured
  • Categories
  • Tags
  • Status
  • Auther First Name
  • Auther Last Name
  • Slug
  • Post Modified Date

固定ページの場合

  • ID
  • Title
  • Content
  • Excerpt
  • Date
  • Permalink
  • Status
  • Auther First Name
  • Auther Last Name
  • Slug
  • Post Modified Date

エクスポートしたCSVのファイル名について

CSVのファイル名に「wordpress」と、「posts(ブログの場合)」または「pages(ページの場合)」という名称を含めないと、Matrixifyにインポートした際にWordpressからのデータだと認識されません。
名称が含まれたファイル名になっていることを確認してください。

WordPress / AllExportというフォーマットになっていることを確認

エクスポートしたCSVファイルは編集しない

ファイルが壊れてしまう危険性があるため、CSVのファイルは編集しないようにご注意ください。データの編集を行いたい場合は後のセクションで対応できます。

3. Shopify側で、Matrixifyを使いファイルをインポートする

まずは「Dry Run」のチェックを入れる

最初にMatrixifyでCSVをインポートする際は、「Dry Run」にチェックを入れることを推奨いたします。チェックを入れなくてもインポートできますが、データがいきなりShopifyの本番環境に移行されてしまいますのでおすすめできません。

また「Old server URL」の項目に、Wordpress側で使っているドメイン情報を入力することも忘れないようご注意ください。

Dry RunとOld server URLのチェックを忘れずに

4. Matrixifyで生成されたデータをダウンロードする

データダウンロードには時間がかかる場合もある

インポートが完了すると、Matrixifyのタスクページ上部にダウンロードボタンが表示されます。データにはWordpress側でアップしている画像データが含まれるため、ブログ記事の数や写真を多く使っている場合は、ダウンロードにかなり時間を必要とします。
※当社の実例では、10,000記事以上あり写真も相当数あったため、ダウンロードにトータルで2営業日ほどはかかりました。

ただ、ダウンロードしながら他の作業をすることはできるので、業務の手を止めてしまう心配はありません。

5. ダウンロードした画像をShopifyの「ファイル」にアップロードする

画像の数によってはかなりの時間がかかる

Shopifyの「ファイル」にダウンロードした画像をアップロードします。実は当社で移行作業をした際、本工程で一番時間がかかりました。

  • Shopify管理画面で地道に画像をアップする
  • 一度にアップできる画像は200枚まで
  • 20MBまたは20メガピクセルを超える画像はアップできず、手直しが必要

※参考)アップロード制限(画像のアップロード)

上記のような制限があるため、画像の数が多い場合は200枚ずつのアップロードを手動で繰り返さなくてはならず、工数と根気を必要とします。
※当社の例では合計30,000枚以上もの画像データがあったため、4名体制でデータを振り分けて作業を分担しました。

6. ダウンロードしたExcelファイルを必要に応じて編集する

ダウンロードしたExcelファイルの内容は、Shopify向けのデータに変換されています。必要に応じて編集します。
※本セクションでは「ブログ」の例でご説明いたします。

「Blog: Handle」「Blog: Title」の値を編集

「Blog: Handle」と「Blog: Title」

「ブログカテゴリ」の、ハンドルとタイトルのフィールドです。必要に応じて、Shopifyのサイトで表示させたい名称に変更してください。

「Body HTML」の編集

Body HTML

「記事本文」のフィールドとなります。入っている内容はWordpress側の本文に記載されている記述そのままになるため、運用方法によっては編集する必要が出てきます。

「jpeg」表記の修正

画像をあらわす拡張子である「JPEG」ですが、Shopifyでは「jpeg」表記の画像はアップロードした際に「jpg」に自動修正されます。そのため、記事本文内にimgタグなどによるjpeg表記がある場合は、jpg表記に修正する必要があります。

「aタグ」の修正

記事本文に含まれる「aタグ(リンクの記述)」で、Wordpress側のドメインが含まれている場合があります。ShopifyへECサイトをリプレイスする場合は各ページのリダイレクト設定をするかと思いますが、念のためルートからの相対パスに修正しておくと安心です。商品ページなどへのリンクがエラーになってしまう可能性を軽減できます。
例)「<a href=”https://yoursite.com/xxxx/〜”>」→「<a href=”/xxxx/〜”>」

改行タグの追加

Wordpress側で記事本文をHTML形式で作成している場合、改行の「brタグ」が入っていないとテキスト等の改行がShopify側で認識されませんのでご注意ください。

※上記Body HTMLの編集については、一括置換で対応する場合は他のフィールドへの影響が出ないようご注意ください。

シートの「Redirects」タブ内「Target」の編集

Target

Matrixifyで移行をすると、記事単位で自動リダイレクト処理もしてくれるため非常に便利です。ただ、Target(Shopify側のURL)の値が想定している内容でない場合は修正が必要です。

7. 編集したExcelファイルをMatrixifyにインポートする

「Dry Run」のチェックは入れずにインポートする

本セクションではShopify向けに編集されたデータをインポートしますので、Dry Runのチェックを入れないようご注意ください。

8. Shopify側に移行されたページの確認やレイアウト調整を行う

調整はよく見られている記事や直近のものを中心に

WordpressとShopifyでプラットフォームが違うため、表示崩れなどが少なからず発生します。移行ブログ数が多い場合は、全ての記事をレイアウト調整することは時間がかかり現実的ではありません。Google Analyticsなどのデータを参考に、優先順位を決めた調整を行うことを推奨いたします。

まとめ

本記事では、WordpressからShopifyへブログ記事やページの移行をする際の注意点をご紹介しました。

記事数が多い場合はMatrixifyを使うことで現実的に移行できますが、それでもある程度の工数を必要とします。移行前には、どの程度の記事数があるのか、リソースの確保が可能なのかなど、綿密に検討することが重要です。
また、移行は少々ハードルが高い作業となるので、専門知識をお持ちの方が対応することをおすすめいたします。

最後に、本記事は当社の実績を元にした内容となっております。もし間違っている箇所がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。
ブログ記事の移行についてのお困りごとやご相談等ございましたら、お気軽に当社にお問い合わせくださいませ。
お問い合わせはこちら

※この記事は2021年12月時点の内容です。今後のアプリのアップデートやShopifyの仕様変更等により、記事の内容どおりに設定ができない場合があります。